白鵬、10年ぶり全休へ 横綱昇進後初 ケガで四股も踏めず再検査

[ 2016年9月8日 06:50 ]

稽古の合間にイスに座り息を整える白鵬

大相撲秋場所

(11日初日、両国国技館)
 大相撲の横綱・白鵬(31=宮城野部屋)が38度目の優勝と残り3勝に迫る1000勝が懸かる秋場所(11日初日、両国国技館)を休場することが7日、分かった。先場所中に右足親指を負傷し、夏巡業でも左膝付近の炎症が再発。8月29日の番付発表後に4日連続で自宅療養して今週から調整を続けてきたが、本場所を務められる状態ではないと判断し、親しい関係者に休場する意向を示した。8日に正式に表明する方針だ。

 秋場所で横綱の務めを果たすべく懸命に調整を進めてきた白鵬だったが、やはり出場できる状態ではなかった。7月の名古屋場所9日目の勢戦でつまずいて負傷した右足親指の腫れはいまだに引かず、再発した左膝付近の炎症も完治せず。既に親しい関係者に連絡し、休場する意向を伝えた。

 骨に異常が生じていた右足親指に不安を抱えたまま、夏巡業(7月31日~8月28日)に参加したことが結果的には休場につながった。巡業序盤は朝稽古で汗を流す日もあったが「後半はほとんど稽古ができなかった」と悪化。さらに右足をかばい続けたことで、1年前の秋場所で途中休場の原因となった左膝付近の炎症も再発した。それでも、休場者が15人以上も出ていたこともあり「巡業は本場所に続いて大事なもの」と最後まで強行参加し続け、横綱土俵入りや取組を務め上げた。

 しかし、その代償は大きかった。階段の上り下りすら困難な状況で、秋場所番付発表後の先月31日から4日連続で自宅療養。負傷の影響で体が熱を持ち始め、足がけいれんする日もあったという。今週に入ってようやく外出できる状態となり、朝と夜の“二部稽古”を敢行して出場を模索し続けた。前日(6日)には患部の血を抜いてやや上向きになったものの、初日4日前となった7日もいまだに四股すら踏めない状況は変わらず。朝稽古後には都内の病院で改めて検査も受けた。

 秋場所取組編成会議(9日)の前日までに「(出場か休場か)どちらかに心を寄せたい」と語っており、きょう8日に休場を表明する方針だ。07年名古屋場所の横綱昇進後、白鵬の全休は初めて。大関だった06年九州場所以来、10年ぶりとなる。20年東京五輪まで現役という最大目標を見据え、酷使し続けてきた羽を完全に一休みさせる。

 ▽白鵬の全休 01年春場所の入門以来、全休は大関4場所目の06年九州場所の1度だけ。場所前、稽古場のある公園内の階段でトレーニングを行った際につまずいて左足親指を打ち付け骨折した

 ▽経過

 ▼7月18日 名古屋場所9日目の勢戦でつまずき右足親指負傷。

 ▼同24日 名古屋場所は10勝5敗。右足親指付近の骨に異常があることが判明。

 ▼同31日 夏巡業開始。右足親指をかばいながら朝稽古、横綱土俵入り、取組を続け、古傷の左膝にも痛みが再発。

 ▼8月28日 夏巡業が終了。左膝にサポーターを施して乗り切る。

 ▼同29日 秋場所番付発表。西横綱となる。

 ▼同30日 秋場所で使用する新しい綱を作る「綱打ち」に参加。左膝の状態は階段の上り下りに苦労するほど。

 ▼同31日 稽古始動予定日に顔を出さず、師匠の宮城野親方(元幕内・竹葉山)が休場の可能性を示唆。

 ▼9月4日 4日連続の自宅療養を経て番付発表後初めて稽古まわしを締める。秋場所に向けてようやく始動。

 ▼同7日 朝稽古後、病院で検査を行う。休場する意向を親しい関係者に連絡する。

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