上野119日ぶり実戦で2回完全 東京五輪がモチベーションに

[ 2016年9月4日 05:30 ]

<日本・米国>6回無死一、二塁、バレリエ・アリオトに左越え本塁打を許した浜本(左)にアドバイスをおくる上野

 ソフトボール女子の国際大会「ジャパンカップ2016」(スポニチ後援)は3日、群馬県高崎市の城南野球場で1次リーグ3試合を行った。左脚の故障で戦線離脱していたエース上野由岐子(34=ビックカメラ高崎)がオーストラリア戦に先発。119日ぶりの実戦で2回3奪三振と存在感を見せた。日本は続く米国戦に敗れたものの、2勝1敗の2位で最終日の決勝に進出。3戦全勝の1位だった米国と再び対戦する。

 日本の中心にはやはり背番号17が必要だ。そう感じさせるに十分な、上野の復帰登板だった。スタンドがどよめく114キロの速球と計測不能のチェンジアップで2回32球、3奪三振の完全投球。119日ぶりのピッチャーズサークルを「まだ思ったところに投げられていない」と振り返ったが「ケガの不安なく、楽しんで投げられたのがよかった」と安どの表情を浮かべた。

 5月7日の日本リーグの試合中に左脚の痛みを訴え、戦線離脱。当初はふくらはぎ肉離れの診断だったが、実は半月板付近の損傷も発見された。リーグ戦はもちろん、代表の遠征にも参加できず。「そろそろ引退かな、という思いもあった」と笑う。そんな時に決まったのが、20年東京五輪での実施種目入り。「どこかで神様が“頑張れ”と言ってる気がした」。それが今、上野のモチベーションになっている。

 自身が不在だった世界選手権は米国に屈し、3連覇を逃した。「私がケガをしたことで若い選手が経験を積んで、成長してくれている。プラスに考えたい」という34歳にとって、復帰を飾ったこの大会で米国を倒して優勝することこそ、20年への第一歩となる。

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2016年9月4日のニュース