チャスラフスカさん死去、74歳「五輪の名花」64年東京大会で金

[ 2016年8月31日 16:43 ]

東京五輪で平均台の演技をするベラ・チャスラフスカさん

 1964年東京五輪で金メダルを獲得し、華麗な演技から「五輪の名花」とたたえられた体操女子選手で、当時のチェコスロバキア民主化運動にも携わったチェコのベラ・チャスラフスカさんが死去した。74歳。チェコ通信によるとすい臓がんを患っており、30日に亡くなった。

 60年ローマ五輪団体総合で銀メダルに輝き、東京五輪の個人総合と平均台、跳馬で優勝した。68年夏の「プラハの春」で民主化アピール「二千語宣言」に署名した後のメキシコ五輪は、個人総合連覇のほか種目別で3種目を制して国民に希望を与えた。

 しかし社会主義政権下でさまざまな圧力を受け、職を失うなど苦難を体験した。その後も民主化運動から離れず、89年の「ビロード革命」後に社会的地位を回復し、大統領補佐官やチェコ・オリンピック委員会会長などを務めた。95年に国際オリンピック委員会(IOC)委員に就任したが、健康を損ねて2001年に辞任した。

 ▼三宅義信さん(1964年東京五輪で重量挙げ金メダル)の話 東京五輪の世代が去ったなという寂しい気持ち。でも、世代交代は仕方がない。素晴らしい演技をする天才的な少女という印象。きれいな演技で、すがすがしい気持ちになったのを覚えている。

 ▼日本オリンピック委員会(JOC)の平岡英介専務理事の話 女性的でしなやかな、非常に素晴らしい演技をしていた。日本にとっても大変記憶に残る選手だった。体操に脚光を浴びさせた選手でもあり、残念だ。(共同)

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