元時天空の間垣親方が引退会見、悪性リンパ腫闘病「悔しさを経験に生かす」

[ 2016年8月29日 17:27 ]

引退会見を行った元時天空の間垣親方(左)と時津風親方

 昨年から悪性リンパ腫で闘病し、今月25日付で現役を引退した元小結・時天空の間垣親方(36)が29日、東京都墨田区の時津風部屋で引退会見に臨んだ。

 スーツ姿で登場した間垣親方は会見の冒頭に「お世話になりました。今後は親方として、協会と部屋に貢献できるように頑張ります」とあいさつ。昨年7月の名古屋場所中から肋骨付近の痛みを訴え、病院の検査で肋骨にひびが入っていると診断され、続く秋場所終盤に激痛に襲われて病気が判明。宣告された当時の心境について「最初は受け入れられなかった。いや、違うんじゃないかと…。ただ、日にちがたつにつれ、受け入れなきゃいけないと思った。生きていくために治療に向かい合わなきゃいけない」と振り返った。

 昨年11月の九州場所から全休を続け、抗がん剤治療を受けていたためマゲ姿ではなく丸刈り姿となったが「もう1度土俵に上がりたいという気持ちが大きかった」と懸命に復帰を目指していた。この時期に引退を決断した理由は「最初は半年の治療と言われていたが、予定より長引いて1年がたち、体力的にも厳しくなった」と明かした上で「土俵にもう一回戻りたいという思いがあったから、この1年間の治療を乗り越えられた」と既に放射線治療は終え、経過も良好であることを説明。9月の秋場所から親方としての仕事も務める予定で「悔いはありますが、その悔しさを人生にぶつけ、経験として生かしていきたい」と抱負を述べた。

 02年名古屋場所で初土俵を踏んでから14年。思い出の一番は03年初場所の三段目時代に同部屋の豊ノ島との優勝決定戦を内掛けで制した時で「一緒に稽古して彼に負けたくないと思っていた。昨日のことように覚えている」。その豊ノ島は現在、左足のアキレス腱断裂で長期離脱中。「引退を発表した時に電話をいただいて、いろいろ話した。僕の分まで土俵に上がって頑張ると言ってくれてうれしかったです。1日も早くけがを治して土俵に上がって、僕の分まで相撲を取ってもらいたい」と涙ながらにエールを送った。

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2016年8月29日のニュース