山県亮太 来年世界選手権でボルト倒す!「五輪以上の騒ぎになる」

[ 2016年8月27日 10:00 ]

銀座・和光屋上の時計塔前で銀メダルを手にガッツポーズを見せる山県(提供写真)

 リオデジャネイロ五輪の陸上男子400メートルリレーで銀メダルを獲得した山県亮太(24=セイコーホールディングス)が26日、都内でインタビューに応じた。リオでは世界最速のウサイン・ボルト(30)を擁するジャマイカに及ばなかったが、17年ロンドン世界選手権での打倒・ジャマイカに照準。ボルトの現役ラストランの舞台となる同選手権で、五輪以上のインパクトを残す。

 男子トラック種目で史上最高の銀メダルを獲得してから、世界が変わった。24日の帰国以降も山県は多忙な日々を送っている。会見や日本選手団の解団式、この日は所属先への報告会に出席後、インタビューに応じた。

 「帰ってきてからも忙しい。これだけたくさんの人に応援してもらったり、映像を見ると、凄いことをやったんだなって改めて思う」

 周囲の視線は、自然と20年東京五輪に向く。自国開催の夢舞台で、金メダルを――。だが、24歳のスプリンターは4年後よりも近未来を見据えている。17年、世界選手権はロンドンで開催。リオで届かなかったジャマイカとの再戦が待つ。

 「結局、一年一年が勝負。バトンも含めて、まだまだ改善の余地がある。リベンジするチャンスがあるなら、勝ちにいく。ロンドンでジャマイカに勝ちたいっていう思いはみんな持っていると思う。しっかり今から目指してやっていきたい」

 リオでジャマイカのアンカーを務めたボルトは、ロンドン世界選手権が現役ラストランとなる予定。世界最速男を擁するジャマイカに勝つことが、重要な意味を持つ。

 「みんなボルトがいるうちに勝ちたいと思っている。ボルトが負けるところってリレーを含めて見たことがない。これを日本チームがやったってなると、もしかしたら五輪以上の騒ぎになるかもしれない」

 リレー世界一への課題は明白だ。リオの日本代表は100メートル9秒台が1人もいなかった。必要なのは個々のレベルアップ。そのために山県は、冷静に足元を見つめている。

 「今のこの状況に浮かれるのは良くない。喜びを表現するのは大事だけど、まだ試合も残っているし、目標の9秒台も達成できていない。浮かれずに一歩一歩、着実にやらないといけない」

 9月末の全日本実業団対抗選手権、10月の岩手国体は100メートルをメインに出場する。リオ五輪100メートルは準決勝で10秒05の自己記録をマーク。確かな手応えをつかんだ。

 「今、感じているものがタイムにつながるのか試したい。とにかく前に意識を持って走る、ゴールだけ見て走る感覚。これまでも、いい時は無意識であったもの。リレーでも飯塚さんだけを見て走れていた。それを意図的に自分でつくり出せるかもしれない感覚がある」

 自らを完全にコントロールし、フィニッシュへ一直線に突っ走る。周囲に惑わされず、第2走者へバトンを渡す。その先に、日本初の9秒台と打倒・ボルトが待っている。

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