デュエットに続きチームでも銅!井村監督 東京でも

[ 2016年8月21日 05:30 ]

<リオ五輪 シンクロナイズドスイミング> 華麗な演技を見せる日本チーム

 チーム決勝のフリールーティン(FR)が19日に行われ、日本(乾、三井、箱山、丸茂、中村、中牧、小俣、吉田)が95・4333点をマークし、テクニカルルーティン(TR)との合計189・2056点でデュエットに続く銅メダルを獲得した。ライバルで4位だったウクライナに0・5976点差で競り勝ち、この種目では3大会ぶりの表彰台。日本を復活に導いた井村雅代監督(66)の下、東京五輪でのさらなる上位進出へ期待が高まる結果となった。

 やり切った。14年春の就任から2年半。照準を合わせてきた夢舞台でデュエットに続き、2個目の銅メダルを獲得した。スタンドから表彰台に立つ愛弟子を笑顔で見守り、井村監督は「目指していた結果」と感慨に浸りながらも「そんなに甘くはないが、もう一つ前にいくことは可能」と次なるステージを見据えた。

 テーマの「天照大神(あまてらすおおみかみ)」に乗り演技を完遂。倒立時に8人の爪先のラインが高い位置で合うように繰り返した反復練習の成果を発揮した。「地獄のような」練習に耐えてきた乾が「乗り越えてきて良かった」と涙し、三井も「夢みたい」と喜びを爆発。井村監督も「世界と戦えるアスリートになった」と認めた。

 今回のメダル獲得を受け、東京五輪強化担当を務める日本水連の上野広治常務理事は指揮官の指導力を高く評価。14年の復帰当初はリオ五輪まで時間がなく「東京でぜひメダルを」と4年後を見据えて復帰を打診したという。ところが銅メダル2個と予想以上の結果を残し「短期間でメダルを獲ってくれた。手腕に敬意を表したい」と脱帽。そして「次はぜひともこの地位を落とすことなく順位を上げてもらいたい」と期待を膨らませた。

 ロシアと中国の牙城を崩すのは容易ではない。井村監督は2強撃破に必要な条件を「強いハートを持った大型アスリート」と明かす。関係者によると、ジュニアの有望選手にエース乾に並ぶ1メートル70級が4~5人いるという。現在のメンバーに加われば、体格差のハンデは埋められる。早い段階から闘争心を叩き込むことができれば、より色のいいメダルも夢ではない。9月には17年世界選手権第1次選考会がある。「(スイッチ入るまで)そんな時間はかかりませんが、今はともかく水を見たくない」。そう話した指揮官が目覚めた時、東京五輪に向けた戦いが始まる。

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