伊調馨 涙の逆転金メダル「最後はお母さんが助けてくれた」

[ 2016年8月18日 06:49 ]

<女子レスリング58キロ決勝>母・トシさんの遺影を抱き、伊調は涙(上は姉の千春さん)

リオデジャネイロ五輪 レスリング女子58キロ級決勝

(8月17日)
 レスリング女子フリースタイル58キロ級の伊調馨(32=ALSOK)が17日、決勝でワレリア・コブロワゾロボワ(ロシア)を土壇場で逆転して五輪4連覇を達成した。

 苦しんだ末の勝利に伊調は「内容があまりよくなかったですけど、こうやってたくさんの人に喜んでいただけてよかった。もっといい試合をしたかった」と反省。終了間際の逆転も「相手がタックルに入ってきてくれたんで、ここしかないと思っていきました。(ポイントを)取れてよかった」

 14年11月28日、最愛の母・トシさんが青森・八戸市内の自宅で倒れて頭を打ち、脳挫傷のため65歳で急逝した。突然訪れた悲しみを乗り越え、胸に刻んだ「母の“遺言”でもある死んでも勝つということ、プラス自分のレスリングを追求していきたい」という誓い。「最後はお母さんが助けてくれた」と話す女王の目に涙が光った。

 個人種目での4連覇は女子では全競技全種目で五輪史上初。「4度目で思いも、背負うものも増えて苦しかった中で、たくさんの人が勇気を届けてくれて、金メダルが獲れたと思います。アテネからここまでリオを区切りと考えていたので、みんなに感謝したい」とあらためて喜びをかみしめていた。

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