入江 4大会連続メダルならず 涙の終戦…“手ぶら”でも仲間に感謝

[ 2016年8月15日 05:30 ]

<リオ五輪  競泳> 400mリレーを終えた(左から)小関、藤井、入江、中村の日本チームは5位

リオデジャネイロ五輪・競泳 男子400メートルメドレーリレー

(8月13日)
 競泳競技を締めくくる男子400メートルメドレーリレーが行われ、日本(入江、小関、藤井、中村)は3分31秒97の5位に終わった。序盤から出遅れると、その後も盛り返せず、04年アテネ五輪から3大会連続でメダルを獲得してきた得意種目で表彰台を逃した。

 アンカーだった自由形の中村はコースロープにもたれかかり、平泳ぎの小関は頭を抱えた。今大会で競技生活に終止符を打つバタフライの藤井はため息をつき、入江は5位の結果を映す電光掲示板を見つめ「ずっと続いてきたものを途絶えさせてしまった。どうすればいいのか」とぼう然。04年アテネ五輪から続いていたメダルが途切れた。

 序盤の遅れが響いた。背泳ぎで第1泳者の入江が50メートルを7位でターン。個人でメダルを逃した今大会の結果を象徴するように、得意の後半でも伸びを欠いて5位。続く小関は150メートルを折り返して3位に浮上したが、終盤に動きが鈍ると6位まで後退した。「今まではバック(背泳ぎ)、ブレ(平泳ぎ)で先手取って、その後は気持ちよく泳いだ」とバタフライで第3泳者の藤井。メダル獲得の方程式が崩れ、その後も挽回できなかった。

 過去2大会でメダル獲得に貢献した31歳の藤井には最後の五輪。最後は意地で順位を1つ上げて戦いを終え、涙を浮かべ「十分戦った誇りの方が大きい」と胸を張った。

 日本のタイム自体は過去2大会と同じ3分31秒台だったが、3位の3分29秒93は日本記録より0秒81上回るスピードだ。日本が停滞する中で、ライバルはレベルを上げていた。平井伯昌競泳委員長は「最終日に有終の美を飾って次の五輪に向かっていたが、途切れてしまってとても残念」と漏らした。前回メンバーの入江は「後ろの3人を信頼して臨めた。3人は僕にとってのヒーロー」と仲間に感謝したが、今大会はメダルなし。今後に関しては「ここから次というのは今すぐ、何も言えない。しばらく自分の未来についてゆっくり考えたい」と涙を流した。

 ▼競泳の五輪連続メダル 日本では北島(04年アテネ~12年ロンドン)、松田(08年北京~16年リオ)の3大会連続が最高。藤井は08年、12年とメドレーリレーでメダル獲得も3大会連続を逃した

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