卓球ニッポン黄金期再来へ希望も…星野強化本部長「まだ壁はある」

[ 2016年8月13日 05:30 ]

悲願の銅メダルをかじる水谷
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リオデジャネイロ五輪卓球・男子シングルス3位決定戦 水谷隼4―1ウラジーミル・サムソノフ

(8月11日 リオ中央体育館)
 卓球ニッポンはかつて黄金期があった。五輪競技でない時代に最高峰の舞台であった1950~70年代の世界選手権のシングルスで、男子は国際連盟会長を務めた荻村伊智朗ら7人、女子は6人が世界一。

 しかし、60年代に台頭した中国の後塵(こうじん)を拝するようになり、用具の発達やサーブの打ち方などのルール変更でプレーの質が変わっていく中で取り残された。

 88年ソウル五輪で正式競技になり、各国・地域が強化に努めたこともあり、85~95年の世界選手権で全種目を通じて表彰台に上がれない暗黒時代が訪れた。低迷を打破するため、日本協会は福原愛の人気で小学生世代の競技人口が増えた事もあり、01年に「英才教育プロジェクト」を設立。全日本選手権小学生の部16強などの選手を対象に若手強化に乗り出した。研修合宿では指導者も集め、技術だけでなく、メンタル強化や肉体強化、栄養学まで学ばせるカリキュラムを徹底。やがて10代から世界で活躍する選手が次々に登場した。

 シングルスは79年世界選手権王者の小野誠治を最後に五輪と世界選手権で表彰台から遠ざかっていたが、前回ロンドン五輪で女子団体が銀メダル、今回は水谷が銅メダルを手にした。隆盛復活へ道半ばだが、星野一朗強化本部長は「中国にはまだ壁があるが、近づいている。東京五輪に向けても何が足りないかを考えて取り組んでいく」と話した。

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2016年8月13日のニュース