22歳・大黒田裕芽 今回トライ奪えずも…4年後は金

[ 2016年8月8日 05:30 ]

女子1次リーグ 日本―英国 前半、攻め込む中村と大黒田(右)

リオデジャネイロ五輪ラグビー7人制女子1次リーグC組

(デオドロ競技場)
 結果は無残だった。先発したカナダ戦、英国戦はともに40点以上を奪われる一方、トライを一つも奪えなかった。それでもこれが初めの一歩。新競技の7人制ラグビーで、22歳の大黒田裕芽(アルカス熊谷)が歴史に名を刻んだ。

 左脚は大きなサポーターに覆われている。14年秋に左膝の前十字じん帯を断裂し、実戦復帰は翌年6月だった。昨年11月の五輪アジア最終予選香港大会では大会MVPに輝いたが、年が明けてからも同じ場所を痛め、5月はリハビリに明け暮れた。気持ちは何度も折れかけた。そのたびに年間200日以上を寝食を共にする代表の仲間たちに支えられた。年齢ではチームの下から2番目。妹キャラで通っているが、小2からラグビー一本の司令塔は、サクラセブンズに欠かせぬ存在だ。

 身長1メートル57はチーム最小。スピードやフィジカルで世界との差を痛感させられた初戦からの連敗を通じ、代表は4年後の東京へ向けて選手の大型化にかじを切るだろう。その中で存在意義をどう示していくか。類いまれなラグビーセンス、小刻みなステップワーク…。小さくても輝ける。「金メダルを目標に練習してきた。日本に持って帰ってこられるように頑張る」との約束は、4年後こそ果たしてみせる。

 ◆大黒田 裕芽(おおくろだ・ゆめ)1994年(平6)7月6日、神奈川県生まれの22歳。小2からラグビーを始め市船橋高では男子に交じりラグビー部に所属。高3で15人制女子日本代表に初選出された。現在、立正大4年でアルカス熊谷に所属。1メートル57、62キロ。ポジションはバックス。

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2016年8月8日のニュース