愛 8年ぶり開会式参加!順調仕上がりで方針転換、笑顔で行進

[ 2016年8月7日 06:00 ]

入場行進で笑顔を振りまく卓球代表の福原愛(AP)

 マラカナン競技場で5日に行われたリオデジャネイロ五輪開会式では4度目の五輪に挑む卓球女子の福原愛(27=ANA)が笑顔で入場行進に参加。シングルスと団体の両種目でメダルを狙う大舞台へ向けて気持ちを高めた。4年後の東京五輪へ弾みをつけたい日本選手団は338選手が出場し、前回ロンドン五輪の倍となる14個の金メダル獲得を目指す。

 これ以上ないうれしいお出迎えだ。104番目、陸上大国のジャマイカの後に日本の名前が告げられると、サッカーの聖地マラカナンスタジアムから「ワー」と割れんばかりの歓声が上がった。大きな拍手も続いた。一瞬の出来事とはいえ、欧米の著名な国々のそれに匹敵する盛り上がりは、選手の気持ちを高ぶらせるのには十分。旗手を務めた陸上十種競技の“和製ヘラクレス”、右代の後ろで福原が笑顔で入場行進をした。

 「2008年の北京オリンピックで旗手を務めて以来、8年ぶりの開会式参加となりました。私にとって特別で、大きな舞台に立てたことをとてもうれしく思いました」

 盛り上がり上手なブラジル国民の興奮を肌で感じ取り、4度目の五輪にかける思いを新たにした。当初は参加予定ではなかった。シングルス初戦が8日のため、コンディションを優先させるはずだった。しかし、「いい調整ができている。開会式に出て気分点というか五輪を感じようと思います」と方針転換。仕上がりが順調ゆえの2大会ぶり参加だった。

 振り返ればこの4年はいばらの道だった。競技史上初の表彰台となる団体銀メダルを取ったロンドン五輪直後に右ひじを手術。東京開催だった14年世界選手権団体戦は左足小指疲労骨折で出られなかった。「あの故障が一番悔しかった」。日の丸を背負って戦う舞台を渇望して、リオへの道のりを歩んできた。

 27歳の今、4年後の東京については言及をしていない。「毎回、集大成の気持ち。次の五輪に出られる保証は毎回ない。やってきたことを全て出し切ることがだし、1回、1回を大事にしたい」。台湾代表の江宏傑との交際もある。公私ともに不確定な未来よりも、今この瞬間にかける思いで決戦の地に乗り込んだ。

 選手村での験担ぎも済ませた。毛利元就ゆかりの清神社(すがじんじゃ、広島県安芸高田市)の三本の矢のお守りは、ロンドン五輪時にも持って行ったものだ。今回も持参した。「神様なので、部屋の一番高いところに飾りました」。石川、伊藤とは同じ部屋で生活。“卓球女子三本の矢”はメダル奪取への思いで結束している。サンバの国に負けない熱狂を、地球の裏側の日本でも巻き起こす。

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