錦織 金へ完勝発進!選手村で水道管破裂アクシデント何の!

[ 2016年8月7日 05:30 ]

初戦を快勝した錦織(AP)

リオデジャネイロ五輪第2日テニス男子シングルス1回戦 錦織圭6―2、6―4アルベルト・ラモス

(8月6日)
 テニス男子シングルスの1回戦で世界ランキング6位の錦織圭(26=日清食品)が同33位のアルベルト・ラモス(スペイン)を6―2、6―4で破り2大会連続の初戦突破を果たした。錦織にとって3度目の五輪となる今大会は初めて開会式に出席せずに競技に集中。20年アントワープ五輪で男子シングルスと同ダブルスの2種目で銀メダルを獲得した熊谷一弥以来、日本勢96年ぶりのメダルへ好発進した。

 センターコートの第1試合という栄えある舞台で、錦織が日の丸を胸に躍動した。1―1で迎えた第1セットの第3ゲーム。得意のストローク戦に持ち込むと、ライン際を丹念に攻めてラブゲームでブレーク。第7ゲームもブレークしてこのセットを奪うと、第2セットも一度もブレークを許さず完勝。わずか79分間で今年の全仏オープン8強の実力者を下した。

 「風が強かったので最初はゆっくりと様子を見た。プレーの感覚は凄く良く、安定していた。少しプレッシャーもあったが、これからピークに上げていきたい」

 第1セットは第1サーブ率が38%(24分の9)と低調だったが、サウスポーのラモスは、どちらかといえば錦織同様にストローク戦に活路を見いだす選手。同じ土俵で戦えば、錦織の方が一枚も二枚も上手だった。

 6月のゲリー・ウェバー・オープン(ドイツ)の1回戦で左脇腹を痛め、続く2回戦を前に棄権。ウィンブルドン選手権のために大事を取ったが、患部の状態はさらに悪化してウィンブルドンでは4回戦途中で棄権。本格的な練習再開まで約2週間を要し、日程的にも過密となる五輪出場を不安視する声すらあった。しかし五輪直前に行われたロジャーズ杯(カナダ)で準優勝し、不安説を一蹴。完全復調を印象付けた。

 今大会は安全面の理由で、ホテルではなく選手村を拠点に置く。4日夜には錦織が泊まっている建物の水道管が破裂。火災報知機が鳴り、全員が屋外避難を命じられるアクシデントに見舞われた。復旧を待って自室に戻った後も断水は回復せず、シャワーやトイレを使用できない不自由を強いられた。6月に米経済誌フォーブスが発表したスポーツ長者番付で3350万ドル(約34億400万円)で日本人トップの29位に付けた錦織にとっては不慣れな生活を強いられているが、コートに立てばそんな影響はみじんも感じさせなかった。

 「4年前とはランキングも精神面も格段に違う。メダルは近くなっている」と自らにプレッシャーをかけて臨んでいる3度目の五輪。上々の初戦でメダルへの第一歩をしるした。

続きを表示

この記事のフォト

2016年8月7日のニュース