錦織 いざジョコ討ち!2年ぶりトップ5撃破でマスターズ初V王手

[ 2016年8月1日 05:30 ]

錦織(AP)

ロジャーズ・カップ準決勝

(7月30日 カナダ・トロント)
 男子シングルス準決勝が行われ、世界ランキング6位で第3シードの錦織圭(26=日清食品)は、同5位のスタン・バブリンカ(31=スイス)を7―6、6―1で破った。4大大会に次ぐ格付けのマスターズでは自身3度目の決勝進出。決勝では世界1位のノバク・ジョコビッチ(29=セルビア)に挑むことになった。世界ランク5位以上の選手にはここまで16連敗を喫していたが、約2年ぶりにその壁を突破し、次戦のリオ五輪にも弾みをつけた。

 ゲームセットの声を聞いても、その顔から気合が抜けきらなかった。「厳しいゲームが続いた。紙一重の試合だった」。スマッシュを叩き込んで試合を終わらせると、錦織のガッツポーズにはいつも以上に力が入った。

 「第1セットは劣勢だったが、1ポイントずつサーブもストロークも焦らないように心掛けた。風が強くてやりにくさもあったが、途中から意識してラケットを振った」

 離されては追いつく。3度のセットポイントをしのいだ第1セットが全てだった。序盤はバブリンカの強力なサーブを捉えられずに劣勢。先にブレークを許した。徐々に対応して追いつくも、第12ゲームでは15―40と2本のセットポイントを握られる場面があった。

 これをしのいでからもピンチは続く。タイブレークでは3度先行され、4―6と再び相手のセットポイント。しかし、驚異の粘りを見せて4ポイント連取で逆転した。

 第1セットは5本以上ラリーが続いた場合のポイント数は22対8。チャンスをうかがいながらストロークに持ち込んで、数少ない好機を生かした。第2セットは気落ちした相手を攻め立て、出だしから5―0と圧倒した。

 「前はもう少しわくわくやうれしさがあったが、意外と冷静に来た」とマスターズ3度目の決勝進出には平然としたもの。それ以上に世界5位という格上の相手を破ったことが大きい。高いレベルで安定してきた錦織だが、実はトップ5には16連敗を喫していた。最後に5位以内に勝ったのは、14年全米オープン準決勝のジョコビッチ戦。準優勝した約2年前までさかのぼる必要があった。

 初のマスターズ優勝はもちろん、4大大会優勝やリオ五輪でのメダル獲得を見据えれば、格上退治は必須。あと一歩突き抜けるための糸口となる1勝だった。

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2016年8月1日のニュース