桐生、メダル獲得へ400Mリレー3走&アンカー二刀流スタンバイ

[ 2016年7月26日 05:30 ]

ケンブリッジ飛鳥(左)にバトンを渡す桐生

 リオデジャネイロ五輪の陸上競技に出場する日本代表男子短距離、障害陣が25日、山梨県富士吉田市の富士北麓公園陸上競技場での練習を公開した。男子400メートルリレーは2通りの走順を披露。注目の桐生祥秀(20=東洋大)は本命の第3走者とアンカーの二刀流でスタンバイする。銅メダルを獲得した08年北京五輪以来、2大会ぶりの表彰台へのキーマンになる。

 400メートルリレーの心臓部分を桐生が務める。速さと技術が求められる第3走者を任されることが濃厚になった。日本陸連の苅部俊二短距離部長は高い適性能力を評価した。

 「3走が鬼門というか、一番のキー。アンカーがポンと早く出てしまっても桐生が3走なら追いつける。速いスピードでコーナーも回れる。3走はコーナーに入ってバトンを渡す難しさも求められる」

 00年シドニー五輪から続く富士山の麓での恒例の五輪前合宿では2通りの走順が披露された。本命と思われるのが山県―飯塚―桐生―ケンブリッジ。もう一つが山県―飯塚―高瀬―桐生だった。

 前者を有力とするのは2人の指導者の言葉だ。これまでに桐生アンカー計画を打ち明けていた苅部部長は「3走はもったいないというのはある。相手が強いほど力を発揮するタイプ。でも、そうなると3走がいなくなる」と説明した。桐生の東洋大でのコーチでもある日本陸連の土江寛裕短距離副部長も“3走推し”をキッパリ口にした。

 「個人コーチとしては直線を走らせたいけど、誰をどこに置けばパフォーマンスを発揮できるかを考えると、桐生は3走」。ただし、大会中は何が起こるか分からない。100メートル日本歴代2位の10秒01を記録したスプリンターが第3走と第4走の2つの役目を準備。正真正銘のキーマンを演じる。

 桐生は走順不問で2大会ぶり表彰台だけを考えている。「メダルが獲れればどっちでもいい。4走でメダルを獲れれば最高ですけど、その前にメダルを獲れれば」。どちらのオーダーにしても100メートル、200メートルの日本歴代10位以内が並ぶ最強の布陣。改良を加えたアンダーハンドパスも精度が上がっている。ジャマイカ、米国が頭一つ抜け、フランス、英国、中国、カナダなどが目下のターゲット。強豪ぞろいだが、食らいつく力はある。

続きを表示

2016年7月26日のニュース