強さ戻った!照ノ富士 栃ノ心に雪辱、カド番脱出へ4連勝

[ 2016年7月14日 05:30 ]

栃ノ心を寄り切り、初日から4連勝を飾った照ノ富士

大相撲名古屋場所4日目

(7月13日 愛知県体育館)
 カド番の大関・照ノ富士が関脇・栃ノ心を寄り切り4連勝を飾った。過去、十両昇進以降に初日から4連勝した場所では最終的に2桁の星を挙げており、カド番脱出が見えてきた。横綱・白鵬と綱獲りの大関・稀勢の里も全勝をキープ。大関・琴奨菊は宝富士に敗れて4連敗となった。また横綱・鶴竜は腰痛のため自身4度目の休場となった。

 カド番からの逆襲だ。先場所13連敗を喫し、大関連敗新記録をつくった照ノ富士が、栃ノ心との怪力対決に完勝。全勝を守り、白鵬と稀勢の里の一騎打ちムードに割って入る勢いだ。

 「うまく取れてよかったです。途中で上手を取ることができた」

 力強さが戻ってきた。右四つがっぷり。豪快なつりを得意とする栃ノ心を逆につり上げて追い込み、投げで崩してから万全の寄り。先場所、あっさり寄り切られた相手に雪辱した。

 「まだ4日目。(復調したかは)分からない」と慎重だが、大きな白星になった。十両に昇進した2013年秋場所以降、初日から4連勝すれば全て2桁勝利を挙げている。このデータに従えば、賜杯争いへの参加も十分に可能だ。

 鍵は両膝の回復具合。昨秋、右膝を痛め、今年1月には左膝半月板も手術。初場所では右鎖骨を骨折し途中休場した。鎖骨は完治したが両膝は今も痛みが残り、特に左膝は今でも水がたまって力が入りづらい。朝稽古では「四股をいっぱい踏める人がうらやましい」と本音が漏れる。

 それでも過去2場所と比べると稽古量も増え、ケガとの付き合い方も学んだ。場所直前には日帰りで都内の病院に向かい、膝の水を抜いてもらった。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)からは「抜きすぎるなよ」と助言ももらった。「その加減が難しい。抜きすぎると治りが遅くなる。医者より詳しくなったよ」

 膝を考えて大好きな酒も控えめにした。左アキレス腱断裂で休場中の同部屋の先輩、安美錦からは「自分の相撲を取れば大丈夫」とメールで激励もされた。場所後には母国モンゴルに帰省予定。大関のままで帰ることはもちろん、優勝報告だってできるかもしれない。カド番さえ脱出すれば、もう怖いものはない。

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