藤田2差 V見えた!レーシックでラインくっきりパット復調

[ 2016年6月5日 05:30 ]

2番、パッティングの狙いを定める藤田

男子ゴルフツアーツアー選手権森ビル杯 第3日

(6月4日 茨城県笠間市 宍戸ヒルズカントリークラブ西コース=7384ヤード、パー71)
 11位から出た藤田寛之(46=葛城GC)が4バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの70と1つスコアを伸ばし、通算1オーバーの214で首位と2打差の4位に浮上した。オフに視力矯正のレーシック手術を受け、悩まされていた乱視も解消。日本シリーズJT杯に次ぐメジャー2冠目を目指し、7月の全英オープンの切符も手に入れる。朴相賢(33)とJ・B・パク(34=ともに韓国)が通算1アンダーで首位に並んだ。

 3日連続で難易度が最も高いホールとなった17番パー4。狭いフェアウエーの左には爪先下がりの深いラフが待ち受けるが、藤田はティーショットをその左ラフに落としてしまった。エッジまで190ヤード。「6Iで打つか刻むか」としばらく悩んだが、最後は刻むことを選択した。第3打はピンまで残り134ヤード。PWで放ったショットを手前3メートルにつけ、これを沈めてガッツポーズ。首位と2打差の好位置に浮上し「あのパーはバーディーみたいなもの。(刻んで)正解だった。正しい選択だったと思う」と誰よりも自分に厳しい男が珍しく頬を緩めた。

 12年賞金王も今月16日で47歳。近視と乱視に悩まされ、遠くのピンやロングパットでカップが二重に見えていたが、それを解消すべく2月に視力矯正のレーシック手術に踏み切った。当初は「ショットでトップとダフりがひどかった」と視力が回復したことでボールとの距離感に違和感が生じて試行錯誤したが「今はもう大丈夫」という。「逆に近くが見えなくなった」とプライベートでスマホを操作する時などには老眼鏡が手放せないが、復調の足掛かりを得た。

 今大会後の賞金ランクで上位2人に入れば、7月の全英オープンの出場できる。これまでもメジャーには積極的に参戦しており「行くことで得られるものもある」と意欲は大きい。現在、賞金ランク1位の金庚泰はすでに昨年賞金王の資格で全英の権利は得ているため、現在ランク28位の藤田が藤田が今大会で14年ダイヤモンド・カップ以来の通算19勝で賞金3000万円を獲得すれば全英出場権に手が届く。首位とは2打差と巡ってきた好機。「チャンスかなとは思う。人間、モチベーションがなくなったら終わりですからね」。衰えないバイタリティーと技術で全英への扉をこじ開ける。

 ▽今大会の最近の優勝者 07年=片山晋呉、08年=星野英正、09年=五十嵐雄二、10年=宮本勝昌、11年=J・B・パク、12年=藤本佳則、13年=小平智、14年=竹谷佳孝、15年=梁津萬

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2016年6月5日のニュース