ケンブリッジ「モチベーション100倍」日本初9秒台で1億円

[ 2016年6月3日 05:30 ]

バーベルトレーニングを行うケンブリッジ飛鳥

 偉業でビッグボーナスを手に入れる。陸上男子100メートルで10秒10の記録を持つケンブリッジ飛鳥(23=ドーム)が2日、都内の所属先ジムで練習を公開。ドームの安田秀一社長(46)は、ケンブリッジが24日開幕の日本選手権(愛知)で日本初の9秒台に突入すれば、1億円を贈ることを明言。ジャマイカ人の父を持つスプリンターが、リオデジャネイロ五輪切符も大金もゲットする。

 目の前にぶら下がった“ニンジン”は、あまりにも巨大だった。「9秒台突入のために足りないものは?」と聞かれたケンブリッジが考えていると、安田社長が「9秒台出したら、1億円出すから!」。男女マラソンで日本新記録をマークすれば全日本実業団連合から1億円が支給されるが、短距離では異例の設定。渋谷でモデルとしてスカウトされた経験を持つ23歳は「モチベーションが100倍くらいになった」と笑みを浮かべた。

 14年のシーズン後、父・ジョージさんの母国・ジャマイカで合宿。100メートルで9秒69の自己ベストを持つヨハン・ブレークらと汗を流す中、圧倒的な筋力差を痛感した。以降、本格的に筋力トレを取り入れ、昨年は4月の織田記念国際では桐生を撃破。故障で納得のシーズンは過ごせなかったが、肉体改造は進んだ。「筋肉量が2キロ増えて、脂肪が1キロ減った」。5月の東日本実業団選手権では自己ベストを一気に0秒11も更新する10秒10。リオ五輪参加標準(10秒16)を突破し、9秒台争いに名乗りを上げた。

 日本選手権で優勝すれば、初の五輪代表に決定する。「9秒台を出せればリオで決勝に行くチャンスもゼロじゃない。予選、準決勝、決勝とラウンドを重ねて結果を出せればいい」。優等生な回答に「サンバを踊るって言っとけ!」と安田社長。スプリント王国のDNAを持つ23歳は「決勝に行ったらレゲエダンスを踊ります!」と夢のファイナルに思いをはせた。

 ◆ケンブリッジ飛鳥(あすか)1993年(平5)5月31日、ジャマイカ生まれの23歳。2歳で大阪に移住し、小学校ではサッカー。中学から陸上を始め、東京高、日大を経てドーム所属。13年東アジア大会男子200メートルで優勝した。100メートルの自己記録は10秒10。1メートル80、76キロ。

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2016年6月3日のニュース