錦織“27時間35分”初戦突破 雨で中断 2日がかりのストレート

[ 2016年5月24日 05:30 ]

錦織は前日、雨で中断されたボレリ(右)との対戦を再開し、試合後ともに健闘をたたえ合う

全仏オープンテニス第2日

(5月23日 パリ・ローランギャロス)
 男子シングルスの世界ランキング6位で第5シードの錦織圭(26=日清食品)が4大大会50勝目を挙げた。1回戦で世界115位のシモーネ・ボレリ(30=イタリア)を6―1、7―5、6―3で撃破。前日に降雨で中断となった第3セットの2―1から再開し、この日も雨で試合進行が遅れたが、2日がかりでストレート勝ちを飾った。2回戦では世界40位のアンドレイ・クズネツォフ(25=ロシア)と対戦する。

 公式な試合時間は2時間ちょうど。しかし、前日の試合開始から数えると27時間35分もたっていた。順延されたこの日も朝から雨が降り、大会開始が2時間以上ずれ込んだ。さらに第1試合のバブリンカ(スイス)がフルセットの大激戦。錦織は待ちに待ってのコート再登場となった。

 ただし、コートに出てからの仕事はスムーズだった。第3セットの2―1から再開し、第8ゲームでブレークに成功。直後にボレリに2本のブレークポイントを握られたものの、これをしのいで決着をつけた。

 「凄く風があってやりづらかったですけど勝てて良かった。全体的にしっかりプレーできた」

 ボレリには昨年、一昨年とウィンブルドンで対戦し、いずれもフルセットでの辛勝だった。特に14年の初対戦では、日没順延に加えてウィンブルドン特有の大会休養日を挟んだことで3日がかりの一戦となった。

 この相手にしてこの展開あり。今回も2日がかりとなったが、「芝よりは時間を持ってプレーできる。自分のテニスができる」と話していた通りに戦略を持ってプレーした。相手の片手バックハンドに対する攻めを軸にしてラリーを支配。クレーでの初対戦はストレート勝ちを収め、順当に2回戦へと駒を進めた。

 これで4大大会の勝利数は区切りの50勝に到達。302勝で歴代1位のフェデラー(スイス)や214勝のジョコビッチ(セルビア)には及ばないものの、日本男子では前人未到の数字だ。昨年の全仏では1933年の佐藤次郎以来、日本男子82年ぶりのベスト8も達成している。今年の錦織が見据えるゴールはもっともっと先にあるはずだ。

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