鈴木愛3度目の正直!プレーオフ制し、14年以来2季ぶり2勝目

[ 2016年5月23日 05:30 ]

プレーオフ1ホール目、バーディーを決め、渾身のガッツポーズの鈴木愛

女子ゴルフツアー 中京テレビ・ブリヂストン・レディース最終日

(5月22日 愛知県豊田市 中京ゴルフ倶楽部石野コース=6431ヤード、パー72)
 首位から出た鈴木愛(22=salesforce)は3バーディー、3ボギーの72と耐えて通算9アンダーの207で並んだ上原美希(27=フリー)、藤本麻子(25=フリー)とのプレーオフに突入。上原との一騎打ちになった2ホール目でバーディーを奪い、14年日本女子プロゴルフ選手権以来2季ぶりとなるツアー通算2勝目を飾った。親交の深い先輩プロの励ましを受けつつ、過少申告で失格となった昨年と同じキャディーとリベンジを果たした。

 18番を使ったプレーオフ2ホール目。鈴木がPWで放った残り120ヤードの第2打は、グリーン左からの傾斜を伝ってピンそば50センチでピタリと止まり、お先のバーディーを奪った。その後、上原がバーディートライを外して鈴木の優勝が決定。河戸映キャディー(41)と抱き合いながら、涙が止まらない鈴木は「凄くうれしいです。2勝目を挙げるまで長かった」と目を赤くした。

 14年の日本プロゴルフ選手権で華々しく初勝利を飾ったが、15年は2度のプレーオフで惜敗。「周囲にも“もう勝てない”と思われてるんじゃないか」とマイナス思考に陥った。だが、用具契約が同じで「お姉さん」と慕う大山志保が、4月のフジサンケイ・レディースで優勝し「うれしかったけど、悔しさもあった」と発奮。この日、ショットが左に曲がる傾向にあった正規の18ホール終了後は「苦しいラウンドだったし、また負けるんじゃないかと思って…」と不安から涙がこぼれたが、18番グリーン近くで見守っていた大山とハグをして「愛ちゃんなら大丈夫」と背中を押してもらい「絶対負けない!」と気合を入れ直した。

 昨年は第2ラウンドで66と伸ばして3位につけたが、第1ラウンドの12番でラテラル・ウオーターハザード内の処置ミスが原因のスコアの過少申告が発覚し、失格となった。悔しさにまみれながら「リベンジしたかった。この試合は同じキャディーさんにお願いしようと去年から決めていた」と再び河戸キャディーを起用。見事に雪辱した。

 実家は香川にあるが、転戦の負担を考慮して昨年から東京にも家を借りた。東京に移動用の車を置く意向で「優勝の副賞としてもらいたい」との願いも、副賞のトヨタ・プリウスを得てかなった。さらに賞金ランキングは6位に浮上。6月のアース・モンダミン・カップ終了時点で賞金ランク上位5位以内に入れば、希望する全英リコー女子オープンにも出場できる。リベンジ、車、今後の活躍次第では海外メジャー。2季ぶりの勝利がもたらした喜びは格別だった。

 【鈴木愛 過去のプレーオフ】

 ☆15年ヨコハマタイヤPRGRレディース 最終日は3打差5位から出て68と伸ばし、通算9アンダーで並んだ李(イ)知(チ)姫(ヒ)とのプレーオフに突入。3ホール目でバーディーを奪った李知姫に対して鈴木はバーディーを奪えず、初めてのプレーオフで勝利はならなかった。

 ☆15年meijiカップ 最終日は2打差7位から出て67を叩き出し、通算8アンダーで並んだ西山ゆかりとのプレーオフへ。前回のリベンジを果たしたかったが、2ホール目でバーディーを奪えず、またしても惜敗した。

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