リオ五輪V最有力の米国代表に最強自転車 3月の世界新をさらに短縮も

[ 2016年5月21日 13:45 ]

リオ五輪自転車女子団体追い抜きで米代表チームが使う最先端のマシン

 リオデジャネイロ五輪の自転車女子団体追い抜きに出場する優勝候補の筆頭、米国代表チームに史上最強の?最新鋭マシンがもたらされた。

 製作したのは日本でも最近、知名度が増しているフェルト(FELT)社で、コンピューター業界の巨人、IBM社と組んで2年以上の歳月をかけて完成。カリフォルニア州カーソンにあるロサンゼルス・ベロドロームで公開された「TA・FRD」と呼ばれるこの自転車は空気抵抗を科学的に分析し、3Dプリンターで試作車を作って実験を繰り返していた。

 最大の特徴は通常右側にあるチェーン(ドライブ・トレイン)が左側にあること。自転車のトラック競技は左回りであるため、重心を右から左に移している。さらにタイヤのチューブにいたるまであらゆるパーツを高速に耐えうるものに改良。米国の女子チームは今年3月の世界選手権(ロンドン)の4000メートル団体追い抜きで4分16秒180の世界新記録をマークして優勝したが、フェルト社では「さらに4秒の短縮が可能」という見解を示している。

 フェルト社(拠点はドイツと米国)を設立し、長年にわたって米国代表チームを支えている技術者の1人、ジム・フェルト氏はAP通信の取材に答えて「五輪になると各国ともに素晴らしい状態に仕上げてくる。戦いは激しいものになるだろう。でも必ずや我々が開発した自転車が英国などの強豪を恐れさせるはずだ」と強気のコメント。米国チームは世界選手権で優勝した時、すでに2位カナダや3位ニュージーランドに4秒近い大差をつけていたが、最新技術を詰め込んだフェルト社製のニューマシンでさらなる“格差”をつけることになりそうだ。

 自転車トラックの4000メートル団体追い抜きは4人1組で行われ、ホームとバックから対戦チームが分かれてスタート。3人目の選手がゴールしたタイムで争うが、途中で相手を抜いても勝者となる。ちなみ先の世界選手権には日本チームも出場。予選最下位(13位)で五輪出場権は獲得できなかった。

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