稀勢の里 “白鵬の壁”破れず1敗も…Vも昇進も諦めない!

[ 2016年5月21日 05:30 ]

白鵬に下手投げで敗れ、支度部屋で渋い表情の稀勢の里

大相撲夏場所 13日目

(5月20日 両国国技館)
 今場所初めて入った西の支度部屋。鶴竜が上がってから風呂に入った稀勢の里は、髪を洗ってから出てきた。自身の得意な左四つになりながらの敗戦。攻めきれなかったかと問われると小さく「うん」とうなずき、敗因を尋ねられると「まあ、見ての通りです」と答えた。表情は連勝を続けていた時とほとんど変わらない。ほんの少しだけだが笑みすらこぼれた。

 白鵬に勝てば、初優勝と横綱昇進に大きく前進していた。敗れたことで悲願は遠のいたが、全てが終わったわけではない。3横綱を倒した上で14勝以上の優勝なら無条件で横綱に昇進するという見解を示していた二所ノ関審判部長(元大関・若嶋津)は「全部勝てば分からない。可能性はゼロじゃない」と話した。14日目の鶴竜、千秋楽に対戦予定の日馬富士を破って14勝とすれば、白鵬が残り2日で1敗を喫した場合は優勝決定戦にもつれ込む。そこで白鵬にリベンジを果たせば、3横綱撃破での優勝となる。八角理事長(元横綱・北勝海)は「(残り2日)勝つしかない。内容も問われる。明日も大事」と奮起を期待した。

 稀勢の里が連敗すれば、14日目で優勝が決まる可能性もある。「明日は明日。一日一日集中して」。今場所を大いに盛り上げている大関の仕事はまだ残されている。

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