【竹下佳江の目】最終予選の怖さ…「負けられない」気持ち強すぎた日本

[ 2016年5月19日 09:42 ]

<バレーボール世界最終予選 日本・タイ>フルセットの末に勝利をつかみ涙を流して喜ぶ木村(中央)ら日本選手たち
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バレーボール女子リオデジャネイロ五輪世界最終予選兼アジア予選第4日 日本3―2タイ

(5月18日 東京体育館)
 選手たちが五輪最終予選の怖さを再確認する試合になったと思います。最大の収穫は勝った、という結果に尽きるのではないでしょうか。

 前日、韓国に敗れた理由は2つ。サーブレシーブの乱れと相手エース金軟景対策がはまらず、後手後手に回ったということでした。今大会初黒星で「次は負けられない」という思いが強過ぎたのが、この日のタイ戦に苦しんだ理由でしょう。序盤から動きが硬く、攻めに徹することができなかったのは明らかでした。一方のタイは五輪に対する強い思いがプレーに宿っており、はっきり言って、タイの勝ちゲームだったと思います。

 それをひっくり返せたのは、追い詰められてから木村や荒木、山口、迫田ら経験豊かな選手が勝利への強い執念を出し、集中できたことに尽きるでしょう。そして、タイのミス。エキサイトした監督が副審に詰め寄ったことでレッドカードが与えられたのですが、ポイントとして大きかったと思います。

 勝ち方としては決して満足できるものではなかったはずで、気持ちを引き締め直す契機になったのではないでしょうか。残り3戦の戦い方は、五輪本番にもつながっていくのですから大切にしてほしいと思います。 (元全日本女子主将)

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2016年5月19日のニュース