日本女子4大会連続五輪へ完勝発進 代表復帰の荒木9点存在感

[ 2016年5月15日 05:30 ]

<日本・ペルー>第2セット、得点に沸く(左から)木村、荒木、長岡

バレーボール女子リオデジャネイロ五輪世界最終予選兼アジア予選第1日 日本3―0ペルー

(5月14日 東京体育館)
 ロンドン五輪銅メダルで世界ランキング5位の日本は同21位のペルーを3―0のストレートで下した。4年ぶりに代表に復帰した荒木絵里香(31=上尾)は4ブロックなどで9得点、長岡望悠(24=久光製薬)が20得点と活躍。4大会連続の五輪切符獲得へ向けて、好発進した。日本は15日、同26位のカザフスタンと対戦する。

 鉄腕エリカが帰ってきた。4年ぶりに代表復帰した荒木は先発でコートに入ると、チームのエンジンに火をつけた。第1セット2―2。速攻から豪快にスパイクを叩き込み、さらにブロックを決めて連続得点。「チームに必要とされる意味を考えて責任を果たそうと思った」。トレードマークのこん身のガッツポーズでチームをもり立てた。

 硬さの取れたチームは若い長岡たちが躍動した。このセットを25―23でものにすると、第2セットからは一方的な展開。荒木はチーム最多4ブロックを決めて計9得点。日本の完勝発進に貢献し「ぶっつけ本番で凄く緊張したけれど、チーム一丸で勝ちきれてよかった」と安どの息をついた。

 主将としてチームを銅メダル獲得に導いたロンドン五輪後、バレー一筋だった人生を見つめ直した。「達成感と充実感があった。バレーは好きだけど、どういう形で続けようか」。選んだのはパートナーや家族と一緒に競技を続けることだった。13年6月、交際していた元ラグビー日本代表の四宮洋平氏(37)と結婚。所属していた東レを退社し、翌年1月には長女・和香ちゃん(2)を出産。「トップレベルで続けろ」と背中を押す夫の理解もあって出産後5カ月でVプレミアリーグの上尾で復帰した。同リーグでは2年連続でブロック賞を獲得。真鍋監督の熱烈なラブコールを受けて代表に戻った。

 代表では家族に会えない時間が続く。「寂しさはあるけれど、娘のおかげでオンとオフのスイッチがつけやすくなった。家族からもらうエネルギーは大きい」。以前にも増してプレーに集中できている。

 真鍋監督は「荒木は守備がいいので、目に見えない点数がある。それに木村ものびのびとプレーしている」と評した。主将の木村の負担を減らす役割も果たす。その存在感は絶大だ。

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2016年5月15日のニュース