新国立財源で改正法成立 サッカーくじ売り上げ10%充当へ

[ 2016年5月2日 18:44 ]

 2020年東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムとなる新国立競技場の整備財源確保に向け、懸案だった関連改正法が2日、参院本会議で与党などの賛成多数により可決、成立した。スポーツ振興くじ(サッカーくじ)の売り上げから充当する割合の上限を、5%から10%に引き上げるのが柱。5月中旬に施行する予定だ。

 改正法は、16年度から8年間、くじの売り上げの最大10%を新国立競技場の整備費に充てると規定。東京都が国立施設に整備費を支出できる根拠も盛り込んだ。

 総工費の上限に関連経費を加えた1581億円を基に政府がまとめた試算では、国が半分の約791億円を負担。残りは東京都の支出とサッカーくじの売り上げで、それぞれ4分の1に当たる約395億円を賄う。国費にはサッカーくじの売り上げも含まれており、実質的に800億円程度をくじから捻出する。

 スポーツ庁によると、15年度のくじの売り上げは約1084億円。この水準を維持できれば、8年間で800億円以上を確保できる。ただ、くじを運営する日本スポーツ振興センター(JSC)は制度改正に伴い、競技団体などへの助成金を減らさないよう年20億円の運営経費削減を迫られる。うち15億円は広告宣伝費を削ることで対応する方針で、費用圧縮と売り上げ維持を同時に求められる大東和美理事長は「非常に厳しい」と受け止めている。

 馳浩文部科学相は「くじの売り上げが大幅に減少したら本末転倒。注意深く見守る必要がある」と話している。

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