リオ・パラ五輪男子走り幅跳び代表・山本「燃えた」世界新

[ 2016年5月2日 05:30 ]

6メートル56の世界新をマークし、優勝した山本

 障がい者陸上の日本パラ陸上選手権最終日は鳥取市のコカ・コーラウエストスポーツパークで行われ、T42(下肢障がい)男子走り幅跳びでは、昨年の世界選手権覇者でリオデジャネイロ・パラリンピック代表に内定している山本篤(34=スズキ浜松AC)が6メートル56の世界新で制した。T44(下肢障がい)女子走り幅跳びでは中西麻耶(30=大分陸協)が5メートル51の日本新で優勝した。

 日本パラ陸上界のエースはチャンスを逃さなかった。4回目の跳躍。3度目の6メートル48が追い風参考(2・3メートル)になった山本は、風が落ち着くのを待ってから冷静に助走に入った。左の義足で踏み切った大きなジャンプは昨年7月に出した自己ベストを20センチ上回る6メートル56。デンマーク選手の持つ世界記録を3センチ更新した。「日本の大会では(モチベーションを上げるのは)無理かなと思っていたけど、ずっと出すと言ってきたのでうれしい。たくさんの報道陣もいて、燃えた。鳥取サイコーだな」。0・4メートルの追い風に爽やかな晴天。パライヤーの盛り上がりで昨年の約4倍の2000人の観衆から声援を受けた。そんな好条件を味方につけた。

 08年北京パラリンピックの走り幅跳びで銀メダルを獲得し、日本の義足選手初のメダリストとなった第一人者にとっても初の世界記録。陸上のパラリンピック実施種目では車いすマラソンの土田和歌子に次いで日本人2人目の世界記録保持者だ。「リオでは記録よりも勝負。金メダルを獲れるジャンプをしたい。だいぶ近くなったと思う」。悲願の金メダル獲得に向けて大きな自信をつかんだ。

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