琴勇輝が新関脇 飛び級浮かれず“銭湯モード”、高み見据える

[ 2016年4月26日 05:30 ]

番付の自らのしこ名に指をさす琴勇輝。右は師匠の佐渡ケ嶽親方

 日本相撲協会は25日、夏場所(5月8日初日、両国国技館)の新番付を発表し、3月の春場所で1横綱2大関を破り12勝と活躍した琴勇輝(25)が新三役となる関脇に昇進した。千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋で行われた会見では関脇で満足することなく、さらなる高みを見据えて精進することを約束。“銭湯力士”としての顔を持つ期待の25歳が、角界の看板力士となるべく戦闘態勢に入った。

【夏場所新番付】

 小結を超えて一気に関脇にジャンプアップした琴勇輝は「うれしいですけど、これで終わりじゃない」と浮かれることはなかった。直接的に大関獲りを宣言することはなかったが「先をしっかり見据えてやっていく。自分の相撲を取り切ることで大関も後からついてくる」と関脇で満足している様子もなし。りりしい瞳で見据えるのは大関、そして横綱昇進。師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)からも「あと2つありますから」と背中を押されている。

 香川県出身では新三役、新関脇ともに1960年名古屋場所の若三杉以来56年ぶりの昇進。3年前の九州場所で左膝に大ケガを負ったが、死に物狂いでリハビリを乗り越えて復活した努力型だ。日々の生活においては無類の銭湯好きという一面も持つ。ほぼ毎日通い「財布の中がほとんど回数券」。場所中も取組後に2時間かけて入り、これまでの最長記録は「4時間ぐらい」。炭酸泉を好み、お湯と水風呂を交互に漬かりつつ2リットルほどの水分補給も行う。

 普段は部屋近隣のスーパー銭湯やラドン温泉に通うが、地方場所中や巡業中も欠かさず出向き「巡業中はバス移動の時に調べる。よっぽどの田舎じゃなきゃ5キロ圏内に何かしらある」とその目はもはや銭湯マニア。疲労回復の効果があると医師からもお墨付きを得ており「あえて何も考えない時間をつくっている」と心身ともにリラックスできている。

 先場所5日目から続く連勝をどこまで伸ばせるのかにも注目が集まる。本人は「何も考えずにとっていきたい」と淡々と話したが、師匠は「先場所よりも大暴れしてくれれば」と期待。大関への足掛かりにもなる2桁勝利をして、極上の“いい湯”を味わうつもりだ。

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