柔道ニッポン、メダルの鍵は初日…初五輪の高藤&近藤に期待

[ 2016年4月5日 08:38 ]

日本のメダルラッシュのカギを握るのは…獲得女子48キロ級の近藤亜美と男子60キロの高藤直寿

 4月2、3日に福岡で行われた柔道の全日本選抜体重別選手権大会で、リオデジャネイロ五輪男女代表のうち12人が決まった。「最終選考会」の難しさか、大会の優勝者で五輪代表となったのは男子2人、女子3人だけ。最有力とされた選手は次々と敗れ、改めて大会の難しさを感じさせた。

 ただし、選ばれた選手は国際舞台での実績は上位で、特に問題となる選考はなかった。それでも報道陣に公開された強化委員会では「負けた選手を選んで大丈夫なのか?」という声があったのも事実。ここでリセットして、世界での戦いに臨んで欲しい。

 そこで、メダル予想をしたい。

 代表発表の会見では山下泰裕強化委員長が「最低でも金メダル4、できれば6個。全階級でメダル」という目標を掲げたが、個人的にも十分可能なメンバーだと思う。そしてポイントの1つが、初日の男女最軽量級だとみている。

 金メダル4個の00年シドニー、8個も獲得した04年アテネという両五輪は、初日に登場した男子・野村忠宏、女子・田村(アテネ時は谷)亮子という2人の天才が頂点に立ち、代表を勢いづけた。個人戦とはいえ、やはり「流れ」は大事。勝てると思われていた選手が初日に敗れると、チーム全体が意気消沈することもあるのだろう。金メダル1個に終わった12年ロンドンを思い出して欲しい。

 そして今回の初日の2人である。

 男子60キロの高藤直寿(パーク24)は22歳、そして48キロ級の近藤亜美(三井住友海上)は20歳。両者とも初の五輪ではあるが、世界選手権で頂点に立った経験がある。柔道の内容は別として、似ている部分も感じる。「強いときは圧倒的に強い」という爆発力。そして何より、物怖じしない精神的な強さ。ときに「大丈夫?」と思えるほど天真らんまんさは、試合で集中力へと一変するあたりも、共通点だろう。

 現在のところ男女通じて最年長は女子57キロ級の松本薫(ベネシード)の28歳。20代前半が多いのが今回の代表の特徴。初日の若い2人が勢いをつければ、アテネの再現すら可能性はあると見ている。そして、若い選手が多いということは、その結果が20年東京につながっているということでも注目してみたい。(首藤 昌史)

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2016年4月5日のニュース