真央 好調アピール!トリプルアクセル8回全て成功

[ 2016年3月31日 05:30 ]

入念に調整する浅田

フィギュアスケート世界選手権

(3月30日 ボストン)
 大会はアイスダンスのショートダンスで開幕した。2季ぶりに出場する女子の浅田真央(25=中京大)は、29日の公式練習で好調をアピール。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)をサブリンクの午前に4度、本番会場の午後に4度、計8度の挑戦で全て決めた。成功率100%の大技で31日(日本時間4月1日午前)のショートプログラム(SP)に臨む。羽生結弦(ゆづる、21=ANA)は30日(同31日午前)の男子SPに登場する。

 2季ぶりの大舞台を前に、浅田のコンディションが急上昇だ。28日の練習ではトリプルアクセルの着氷が乱れるシーンがあったが、29日は完璧だった。計8度のアタックで、全てクリーンに成功。国際規格の60メートル×30メートルではなくアイスホッケー仕様の61メートル×26メートルのリンクも問題ない。「リンクも雰囲気も体もだいぶ慣れてきた。(トリプルアクセルは)良くなっている」と充実の笑みを浮かべた。

 1年の休養後、フリーのみの国別対抗戦ジャパン・オープンで1位、中国杯は優勝。順風満帆だったが、GPファイナルで6位に沈むと全日本選手権も3位に終わった。復帰後、浅田が何回も繰り返すフレーズがある。「うまくいく時と、いかない時がある」――。それは世界選手権に向けた調整過程でも同じ。年明けから納得のいく練習ができず、「気持ち的にも体的にも“大丈夫かな”と思った」と振り返る。

 段階的なステップが復調を呼んだ。調子が上がらなかった年明けはジャンプなどの修正に時間を割き、技術レベルが戻ってから曲をかけての練習を始めた。この2~3週間は本番を想定し、ウオーミングアップを終えた後、すぐに通し練習を敢行。「気持ちを強く持てなかったりしたけど、そういうことがあったから今は上り調子できている。今は準備できていると思う」と一時の不調も前向きに捉えている。

 SPは31日、フリーは4月2日。自らの日本最多記録を更新する4度目の世界一が懸かるが、結果にこだわらない。「順位はあまり気にしていない。最高の演技ができれば満足できる。結果がついてくればいいけど、まずは自分が目指す演技をしたい。今までやってきたことを出し切れるように」。成績もメンタルも浮き沈みが激しかった復帰シーズン。完璧なトリプルアクセルと完璧な演技で締めくくった時、氷上には心から笑う浅田がいる。

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