稀勢の里1差死守!初賜杯へ勝って待つ 13勝でも来場所綱獲りも

[ 2016年3月27日 05:30 ]

照ノ富士(左)を寄り切り2敗キープの稀勢の里

大相撲春場所14日目

(3月26日 エディオンアリーナ大阪)
 逆転優勝を目指す大関・稀勢の里は大関・照ノ富士を寄り切り、大関・豪栄道とともに2敗をキープした。千秋楽の豪栄道戦に勝ち、結びで白鵬が日馬富士に敗れれば自身初の優勝決定戦に進出。協会幹部はたとえ稀勢の里が優勝しなかった場合でも来場所綱獲りになる可能性に含みを持たせた。結びで1敗の白鵬が勝てば4場所ぶり36度目の優勝が決まる。
【14日目取組結果】

 2敗を守った取組後の支度部屋。1差で白鵬を追う優勝争いへの意識について稀勢の里は「そうでもない。自分との闘いですから」と無表情で言った。11日目からの連敗で自力Vがなくなり、逆転優勝を過度に意識することはない。だからこそ「自信を持っていくだけ」と連敗後も冷静に相撲が取れている。

 立ち合いでは照ノ富士と呼吸が合わなかったが、冷静に2度も待ったを掛ける余裕があった。迎えた3度目、今場所さえにさえている強烈な左おっつけから攻めて得意の左四つに。昨年9月の秋場所の対戦で寄り倒した際に右膝を破壊したこともあり、相手の強引な粘りもない。最後は左のかいなを返しながら体を密着させる盤石の寄りで、11場所ぶりとなる12勝目をつかみ取った。

 千秋楽は同じ星で並んでいる豪栄道戦。その対決に勝ち、結びで1敗の白鵬が負ければ自身初の優勝決定戦に進出する。初めての賜杯を逆転で抱いた場合には来場所の綱獲りは確実な情勢。優勝しなかった場合についても、八角理事長(元横綱・北勝海)は「(完敗した)白鵬戦を見るとね」とぼやきつつ「ずっといい成績で実力がある。あとは内容。決定戦となれば雰囲気も違ってくる」と完全否定することはなかった。二所ノ関審判長(元大関・若嶋津)も「あしたを見ないとね」と一言。要は、豪栄道戦に勝たなければ元も子もないということだ。

 大関在位26場所中で負け越しはわずか1度で2桁勝利が19度。勝率は6割9分4厘と7割近い。自身より1場所早く昇進した琴奨菊の5割9分5厘と比べると安定感は抜群だ。綱獲りの可否は千秋楽の相撲次第だが、大関は「別に変わらないです」と平常心。4年以上務める大関での実績を生かすためにも、まずは千秋楽本割に全てを懸ける。

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2016年3月27日のニュース