高校恩師も祝福 再現性の高さ+精神的成長=43歳レジェンド

[ 2016年3月18日 10:00 ]

2014年4月、北海道札幌市の東海大四高で行われたソチ五輪の報告会。先頭の葛西紀明に続いて入場する上杉尹宏さん(後ろは94年リレハンメル五輪スキー複合団体金メダリストの阿部雅司さん)

ノルディックスキー W杯ジャンプ男子個人第27戦

(3月17日 スロベニア・プラニツァ=HS225メートル、K点200メートル)
 葛西の金字塔を自らのことのように喜んだのが、東海大四高時代のスキー部顧問で元複合日本代表ヘッドコーチの上杉尹宏(たかひろ)現北海道スキー連盟副会長(73)だ。「葛西が30代後半に“もう引退かな”と思った時期もあった」と言う上杉氏は「(女子の)伊藤有希が(土屋ホームに)入社して“指導する”という経験をし、結婚もしたことで人間としての幅が広がったことが良かったのでは」と分析する。

 高校では陸上やバスケットボールなど、全国レベルの選手がそろうスポーツクラスでも長距離走は一番だったという葛西。運動能力に加え上杉氏が何より驚いたのは“再現性の高さ”だった。「バスケット部の練習をじっと見てプレーすれば、バスケット部の選手と同じ動きをする。欧州遠征に行くと必ず海外選手から新しい技術を盗んで身に付けていた」と懐かしむ。

 負けず嫌いで練習の虫だった葛西が「最近はイメージトレーニング中心で結果を残している。前のように追い込んでいたら壊れていたかも」と分析した恩師は「元来の再現性の高さに精神的な成長が加わって、結果に結びついているのだと思う。それにしても凄いね」と笑った。

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