逸ノ城4連勝 やかんトレで復活!先場所2勝男“変身”

[ 2016年3月17日 05:30 ]

阿夢露(右)を寄り切りで破った逸ノ城

大相撲春場所4日目

(3月16日 エディオンアリーナ大阪)
 東前頭11枚目の逸ノ城が阿夢露との平幕全勝対決を制して無傷の4連勝とした。先場所はわずか2勝しかできなかった男は琴奨菊流の体幹トレーニングを導入。新入幕で優勝争いした14年秋場所以来の初日から4連勝で復調をアピールした。全勝は琴奨菊、稀勢の里、豪栄道の大関3人と、勢、妙義龍、逸ノ城の平幕3人の計6人となった。

 左で張って右を差した逸ノ城は迷わず前に出た。最初、左はまわしに届かなかったが「前に出て攻めながら上手が取れた」と阿夢露に密着して圧力をかけて左上手も引くと、そこからは盤石の寄り。5秒4で勝負をつけた。1年半前「怪物」と騒がれた頃のような圧勝劇だった。

 初日から4連勝は新入幕で13勝して優勝争いに絡んだ14年秋場所以来。久々の快進撃に「気分?それは先場所とは違うね」と言って、にこりと笑った。

 初場所はわずか2勝しかできず、番付は自己ワーストの東前頭11枚目まで落ちた。ケガがあったわけではない。体重は新入幕当初の199キロから214キロになり、大きくなった体を持て余すようになった。相手にも研究されるようになった。「このままじゃ駄目ですね。もう一度やり直したい」。危機感に目覚めた怪物がようやく重い腰を上げた。

 2月後半、大阪入りして新たに始めたのが、トレーナーから紹介された体幹トレーニングだ。初場所を制した琴奨菊が使用して有名になったケトルベル(やかん形ダンベル)を持ち上げた。計160キロの大型タイヤ3つもすり足で押した。最初は全身が筋肉痛になった。そのトレーニングの成果については「まだこれからですよ」と謙遜するが、真価はこれから。番付下位の今場所はまだ上位との対戦はないだけに、4連勝で喜んでばかりはいられない。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は「不気味な存在になってくれればいい」と期待する。既に全勝の横綱がいない、荒れる予感十分の春場所。「1日1番集中して、白星を伸ばしたい」。締め込みも黒から新入幕時の青に戻した怪物が再びフィーバーを巻き起こすかもしれない。

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