田中 大学有終 男子ハーフ大会新V 目指すは世界!東京五輪!

[ 2016年3月7日 05:30 ]

大会新記録で男子ハーフマラソンを制した田中

三浦国際市民マラソン

(3月6日 神奈川・三浦海岸発着)
 ホノルルマラソンの姉妹レース「第34回2016三浦国際市民マラソン」は6日、1万1896人(5キロ=2397人、10キロ=3637人、ハーフマラソン=5628人、キッズマラソン=234人)が参加して行われた。ハーフマラソン男子は3年連続で箱根駅伝に出場した田中孝貴(22=順大)が1時間5分35秒、同女子は青山瑠衣(26=ユニバーサルエンターテインメント)が1時間13分31秒でいずれも大会新記録での優勝となった。大会後の抽選でハーフマラソン完走者から2人、10キロ完走者から1人が12月開催の「第44回JALホノルルマラソン」に招待された。

 大学生活最後のレースを最高の形で締めくくった。田中は順大カラーの茄子(なす)紺のユニホームで走る貴重な時間をかみしめ、両手を広げてゴールテープを切った。「順大で走る最後のレースだった。楽しんで走ることができた」と有終の美に自然と笑みが浮かんだ。

 レース途中で強い雨に降られ、4キロすぎのきつい上り坂にも苦しんだが、最後まで脚色は鈍らなかった。「頑張れ!頑張れ!」と田中に声援を送ってくれたのは沿道の観客だけではない。一緒に走っているランナーからも励まされ、背中を押してもらった。1時間5分35秒は従来のタイムを21秒短縮する大会新記録となった。

 順大では3年連続で箱根駅伝に出場し、今年は初めて山上りの5区を任されて区間8位となった。「もちろん箱根や大きな大会を走れたことも大きいけど、支えてくれた監督や仲間、マネジャーの存在も大きい」と4年間の歩みを振り返った田中は、今春から実業団のカネボウに進む。

 「世界で通用するマラソンランナーになる」という目標に向け、2月には山口県で行われた4週間の合宿にも参加した。新しい環境での挑戦に「最初は肩が張るほど緊張した」が、周囲の気遣いもあって徐々になじむことができたという。「ハーフマラソンに向けてじっくりと質より量を積んできた」と合宿で繰り返した20キロ走は今大会の好走にもつながった。

 先月の東京マラソンでは、同年代の下田裕太(青学大2年)や服部勇馬(東洋大4年)といった学生ランナーの走りが注目を集めた。今は彼らには少し後れをとっているが、競技人生はまだ終わりではない。「まずは自分がそういう選手と戦える土台をつくる。ただマラソンを走るのではなく、しっかり勝負をしたい」。その先にあるのは4年後の夢舞台。「いい年齢で迎えられる。いいモチベーションにしたい」と20年東京五輪も励みに、ライバルたちの背中を追いかける。

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