福士出場表明は「陸連へのけん制」か…東京五輪へクリアな選考基準を

[ 2016年3月2日 10:05 ]

大阪国際女子マラソンで優勝した福士加代子

 【記者の目】福士の欠場は予想通りだ。私は出ないと思っていたし、陸上関係者の間でも「出ないだろう。陸連へのけん制だ」という意見が圧倒的だった。

 リオの選考基準では国内選考会での「内定」や「確定」はない。福士サイドが声を上げるなら、選考の方針が示された13年6月、要項が発表された15年7月などタイミングは他にもあった。問題提起は選手寿命を削って行うものではないので、欠場することに関しては正解だと思う。

 リオの選考に限れば、大阪国際で「内定」や「確定」を望んだ福士サイドの言い分は通らない。だが、日本陸連の選考基準に曖昧な部分があるのも事実。15年世界選手権の代表選考では横浜国際優勝の田中智美(第一生命)が落選し、大阪国際2位の重友梨佐(天満屋)が選ばれたように現場が不信感を持つ選考もあった。20年東京五輪に向けては、誰もが納得できるクリアな選考基準をつくることが求められる。 (五輪担当・杉本 亮輔)

 ▽リオデジャネイロ五輪への道 女子マラソンの枠は3。昨夏の世界選手権で日本人最上位入賞の7位に入った伊藤舞(大塚製薬)は内定。国内選考会は、さいたま国際、大阪国際、名古屋ウィメンズの3レースで各大会日本人3位以内が対象。日本陸連の設定記録(2時間22分30秒)を破った選手は優先的に1人選ばれる。他は総合的な判断で選出される。

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2016年3月2日のニュース