宮原 世界歴代6位V!SPに続きフリーも自己ベスト142.43点

[ 2016年2月21日 05:30 ]

四大陸フィギュア女子フリーで演技する宮原知子

フィギュアスケート四大陸選手権第3日

(2月20日 台湾・台北)
 全日本選手権連覇中の宮原知子(17=関大高)が、女子フリーで自己ベストの142・43点をマーク。世界歴代6位で、今季世界2位となる合計214・91点で主要国際大会初優勝を飾り、世界選手権(3月30日開幕、米ボストン)へ弾みをつけた。本郷理華(19=邦和スポーツランド)は181・78点で3位、村上佳菜子(21=中京大)は175・12点で7位に終わった。

 完璧な4分を終えると、宮原に笑みが浮かんだ。冒頭の3―2―2回転などジャンプを全て決めれば、表現力でもライバルを圧倒。14、15年と2年連続で2位だった四大陸を制し、主要国際大会初タイトルを手に入れた。18日のSPに続いて、フリー、合計と自己ベストを並べた。合計214・91点は、世界歴代6位のハイスコアだ。

 「最後のジャンプまで緊張していたけど、大きな失敗がなくて良かった。落ち着いて自分を信じてやろうと思った」

 ミスとは無縁だ。今季GP初戦だった15年10月・スケートアメリカのフリーの3回転ルッツでの転倒を最後に、ジャンプでは43回連続で大きな失敗がない。肉体改造が驚異の安定感を生んだ。氷上練習に加え、バレエにダンスと多忙を極める中、専属トレーナーと地道に汗を流す。その先にあるのは、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)の習得。「2年後にはみんな跳んでくる。私も挑戦したい」と視線の先には平昌冬季五輪をしっかりと捉える。

 浜田コーチが「人の3、4倍は練習する」と評する17歳は、オフアイスでも変わらない。関大中時代、給食を食べる直前まで勉強を続けた。毎日、英字新聞で気に入った記事を訳し、先生に添削してもらった。授業が終わると、バス停までダッシュして練習場へのバスに乗った。妥協を許さない姿勢が、成長を後押しする。

 4月には10年バンクーバー五輪銅メダルの高橋大輔さんらも在籍した関大に進学するが、その前に大舞台が宮原を待つ。昨季、銀メダルを獲得した世界選手権が3月30日に米ボストンで開幕。15年11月のNHK杯で初めて200点を超え、GPファイナル、今大会と自己ベストを更新。世界一を狙える勢いが、今の宮原にはある。

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