青木功 JGTO新会長へ 新選手会長の優作が就任要請

[ 2016年2月4日 08:00 ]

青木功

 ゴルフ界のレジェンド青木功(73)が日本ゴルフツアー機構(JGTO)の次期会長に就任することが濃厚となった。観客減少が続く男子ツアーの現状に危機感を抱く日本ゴルフツアー選手会(宮里優作会長)が就任を要請したことが3日、明らかになった。3月4日に行われるJGTO社員総会、理事会を経て正式決定する。

 「世界の青木」が男子ゴルフツアーをけん引する。青木のJGTO会長就任に向けた水面下の動きが明らかになった。

 男子ツアーは青木、尾崎将司、中嶋常幸が活躍していた80、90年代には年間40試合前後開催されたが、02年以降は30試合に届いていない。観客動員も右肩下がり。石川遼の人気で盛り返し10年に年間60万人を超えたものの、昨年は33万人余りとほぼ半減している。

 1月6日の日本ゴルフツアー選手会理事会で新会長に選ばれた宮里優はツアーの試合数増、人気回復に意欲を示している。危機的状況から抜け出すにはツアーを統括するJGTOのかじ取り役を知名度抜群の青木に託す以外ないというのが選手会の総意。関係者によると、宮里優会長と横田真一副会長が1月に青木と会いJGTO会長就任を要請したという。「男子ツアーのために力を貸してくださいとお願いした」と関係者は証言する。

 青木は回答を保留している。ただ、これまでもJGTOの特別顧問として協力しており、男子ツアーの隆盛を願う気持ちは誰よりも強い。迷ってはいるが、引き受けざるを得ない状況であることは理解している。

 女子ツアーは96~11年に日本女子プロゴルフ協会会長を務めた樋口久子現相談役がスポンサー獲得や新規大会創設に尽力し現在の人気を築いた。樋口氏に劣らぬ実績を誇り、ゴルフ界以外にも顔が広い青木がトップに立つことで男子ツアーも新たなスポンサー獲得や試合数増につながることは間違いない。選手や関係者も大きな期待を懸けている。

 JGTO会長の任期は2年。12年に就任した海老沢勝二会長(81)は現在2期目で今年3月に任期満了となる。3月4日にツアーメンバーらが出席する社員総会が行われ、理事を選任。その日のうちに理事会を開いて理事の互選で会長、副会長などを決める。

 選手会からは宮里優会長、横田副会長、池田勇太理事が理事会に出席。会長決定にも選手会の意見が反映しやすい。関係者によると、海老沢会長は続投への意欲を持っているというが、後任が青木なら譲る可能性が高いとの見方もある。

 青木は国内シニアツアーを中心にプレーする現役プロゴルファー。選手との掛け持ちとなるが、倉本昌弘が日本プロゴルフ協会会長を務めながらシニアツアーで活躍しており問題にはならない。

 青木は米国内で合宿中。4月の国内シニアツアー開幕に向けてトレーニングを積みながら大きな決断を下すことになる。

 ◆青木 功(あおき・いさお)1942年(昭17)8月31日、千葉県生まれの73歳。14歳でゴルフを始め、中学卒業後、東京都民ゴルフ場にキャディーとして就職。我孫子GCなどで腕を磨き、64年にプロ転向。71年関東プロでツアー初優勝。76年に初の賞金王に輝き78年から4年連続で賞金王。ツアー通算51勝を挙げている。海外でも活躍し、80年全米オープンではジャック・ニクラウスと死闘を演じ2位。83年ハワイアン・オープンで日本人として米ツアー初優勝。04年に世界ゴルフ殿堂入り。13年に日本ゴルフ殿堂入り。昨年11月に旭日小綬章を受章。1メートル80、80キロ。

 ▽日本ゴルフツアー機構(JGTO) 男子ゴルフツアーの運営やプロゴルファーの資格認定などを行っていた日本プロゴルフ協会(PGA)から独立する形で99年2月に設立され、男子ツアーを統括している。05年から社団法人、13年から一般社団法人。初代会長はツアー通算8勝の元プロゴルファー、島田幸作氏(在任期間は99年2月~08年3月)、第2代会長はトヨタ自動車で営業本部長などを歴任した小泉直氏(08年3月~12年3月)、現在の会長は元日本放送協会(NHK)会長の海老沢勝二氏(12年3月~)。所在地は東京都港区。

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