理事長選の前哨戦!?貴親方、手続きの不当性訴え「密室はいけない」

[ 2016年1月28日 09:50 ]

八角理事長が提案した評議員の人事に猛反発した貴乃花親方

 初場所で琴奨菊の10年ぶりの日本出身Vに沸いた相撲協会に新たな火種がくすぶり始めた。八角理事長(元横綱・北勝海)が提案した人事案に対し、総合企画部長を務める協会No・3の貴乃花親方(元横綱)らが猛反発していることが27日、分かった。理事の選任などの強い権限を持つ「評議員」に正規の手続きを踏まず新たに推薦した人物が理事長と近い元親方だったことなどが原因だという。

 スポニチ本紙の取材に対し、貴乃花親方は「公益財団法人としての定款を後世に残すためには、正しい道を進んで協議をしないといけない。密室で行われてはいけない。自分の一門出身のOBを選出しようとしたこと自体に異論があります」と指摘。結局、貴乃花親方の反発によって新任評議員の議案はいったん取り下げとなり、28日に行われる「年寄総会」で諮られることになった。

 29日には新理事候補を選ぶ選挙が行われ、3月28日には新理事長が決定する。新体制に移行するまで八角親方が理事長を務めるが、若手親方を中心に貴乃花親方を推す声も根強い。カリスマとして協会を一つに束ねた北の湖前理事長の遺志を継ぐべき存在を選ぶのは全親方衆次第。紛糾必至の年寄総会がその第1弾となりそうだ。

 ▽日本相撲協会の評議員 14年1月に内閣府から公益財団法人への移行の認定を受け、新たに設けられた協会の最高決定機関。理事の選任や解任など強い権限を持つ。協会の定款には「評議員5名以上7名以内を置く」「総数の過半数を外部有識者とする」と定められている。北の湖理事長時代に「外部有識者4人、力士出身者3人」という枠組みを固め、関係者によるとその枠組みについての内部規則も存在する。親方出身者が評議員に就任する場合は一度、年寄を退任する。

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