大坂なおみ リオへ日米争奪戦!3回戦敗退も世界ランク急上昇

[ 2016年1月24日 05:30 ]

アザレンカと対戦する大坂(AP)

テニス全豪オープン第6日

(1月23日 オーストラリア・メルボルンパーク)
 女子シングルス3回戦で世界ランキング127位の大坂なおみ(18)は、世界16位のビクトリア・アザレンカ(26=ベラルーシ)に1―6、1―6で敗れた。元世界1位の厚い壁に阻まれ、わずか56分で完敗。しかし大器の片りんを見せた18歳には、本来なら資格のない8月のリオ五輪出場の可能性が出てきた。

 快進撃は止まった。初めてのセンターコートでわずか2ゲームしか奪えずに完敗。「スコアはもう最悪」と首を振った大坂だが、こうも感じていた。「正直こんなふうに負けて良かった。これを糧にもっと成長できるはずだから」と受け止めた。

 開始直後の第1ゲームはラブゲームでブレークして観客を沸かせた。だが反撃を食い止められなかった。パワーは互角でも精度と展開の速さが段違い。「ベースラインから6メートルぐらい下がらされてる感じだった」と押し込まれ、一気に9ゲーム連取された。予選を含めて10日間で6試合目。腹筋に痛みが出て、自慢のサーブも威力を欠いた。

 それでも当初は予選突破だった目標を大きく上回る3回戦進出だ。世界ランクも100位近くまで上昇する見込みで、リオ五輪出場の夢も膨らんでくる。五輪出場資格の一つに国別対抗戦フェド杯の出場義務があるが、ランキングを急激に上げた選手は例外とする特別条項がある。ランキングが届かない場合でも、有望選手として08年北京五輪の錦織のような推薦が受けられるかもしれない。

 日米両方の国籍を持つだけに、これまでには米国協会も将来の代表候補としてサポートを申し出てきたという。本人の希望は日本代表だが、日米争奪戦の可能性まで秘めた18歳。その4大大会デビュー戦は鮮烈な印象とともに幕を閉じた。

 ▽五輪のシングルス出場資格 6月6日発表の世界ランキングに基づいて56人(1カ国最大4人)、推薦枠で8人が選ばれる。前回の五輪からの4年間で国別対抗戦のフェド杯(男子はデ杯)で少なくとも3回以上は代表入りしていることが条件となる。

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