佳純 絶対女王V3!15歳・美宇を“子供扱い”

[ 2016年1月18日 05:30 ]

表彰式を終え談笑する(左から)平野美、石川、伊藤

卓球全日本選手権最終日

(1月17日 東京体育館)
 女子シングルスで、石川佳純(22=全農)が3年連続4度目の優勝を果たした。“みうみま対決”を制し、史上初となる中学生の決勝進出を果たした平野美宇(15=エリートアカデミー)を4―1で退けて栄冠をつかんだ。男子は水谷隼(26=ビーコンラボ)が史上最多タイの8度目の日本一を、3連覇で飾った。男女ともにエースがプレーと発言で圧倒的な存在感を見せた。

 女王が気鋭の15歳を子供扱いした。決勝は第4ゲームを落とし、競った場面もあった。だが、石川のここぞの集中力は際立っていた。畳み掛ける時は一気。連続ポイントで平野美に流れを渡さない。第5ゲームは4―9から7連続ポイントを奪って3連覇を決めた。

 準決勝で平野美に敗れた伊藤が勝者に対して「まるで中国選手のようだった」とコメントしていた。強打を強打で返されたのが理由だった。その発言を報道陣から振られると、石川は全否定した。「正直それは違いますけど、いいプレーはしていた。ボールの質も上がっていて大人に近くなったと思う」。テーブルで対じした者だけが分かる力の差。相手を称えながらも“絶対女王”であることを印象付ける言葉が並んだ。

 「(平野美は)まだ小さいのでボールは軽く、回転量も少ない。自分からコースや回転を付けるように意識した」

 実際、勝ち上がりは盤石だった。大会を通じて1試合で2ゲーム以上取られなかった。準決勝は、福原を破って勢いに乗る19歳の加藤も4―0で圧倒した。4強に10代の3人が残った次世代フィーバーの大会。だが、それはかつて自分が通ってきた道だ。07年大会は中学生で史上初(当時)となる4強入りをしていた。出るくいをどう打つかは自分が一番知っていた。

 「強い選手に出足を抑えられると厳しくなる。出足が大事」。平野美には左右前後に振って、1、2ゲームを楽々先勝。相手の強みのラリーでも優位に立ち、主導権を握り続けた。

 オリンピックイヤーの幸先いい発進は、おみくじで大吉を引いたようなものだ。15年は苦難の年。9月に左太腿、12月には首を痛めた。16年初戦には、それを払しょくする狙いがあった。「リオへの通過点。いいスタートを切りたいという思いは強かった」。ロンドンの団体銀を超えるために、まだまだ強くなる。

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