遠藤 右足首捻挫で休場 照ノ富士に続き…懸賞金1016万円消えた

[ 2016年1月17日 08:20 ]

休場を届け出た遠藤

大相撲初場所7日目

(1月16日 両国国技館)
 東前頭11枚目・遠藤が「右足関節捻挫で2週間の安静加療が必要」との診断書を提出して休場。先場所痛めた右足首を今場所前に悪化し、6日目まで1勝5敗と苦しんでいた。左膝に重傷を負った昨年春場所以来3度目の休場で、再出場の予定もなく来場所の十両転落は確実。前日の大関・照ノ富士に続いて若手の看板力士が相次いで休場となり、1000万円を超える懸賞金が取りやめとなる事態となった。
【7日目取組結果】

 ケガと闘いながらも懸命に土俵を務めてきた遠藤がついに休場を決断した。初日3日前の稽古で先場所前に痛めた右足首を再び捻挫。昨年春場所に重傷を負った左膝にはサポーター、右足首にも珍しくテーピングを施して出場していたが、千代鳳に敗れた前夜に都内の病院で診察し、師匠の追手風親方(元幕内・大翔山)と相談して決めた。

 師匠は「途中からは出ない。本人も?藤はあったと思うけど休むと決めたら前向きに早く治す」と十両転落決定的の来場所で復帰を狙う方針を示した。その上で左膝半月板を手術する可能性も示唆。「幕下、三段目になろうが、次に出る時はこういうことはないようにする」と全てのケガが完治するまで中途半端に復帰させない考えだ。昨年は左膝前十字じん帯を断裂しても大手術を行わず夏場所に強行出場するなど“出る美学”を貫いた。その姿に感銘を受けるファンもいたが、今回は完璧に治す道を選んだ。

 照ノ富士、遠藤という近年の人気を支えた若手が離脱。大手広告代理店関係者は「動員や視聴率は変わらないと思うが、一番影響を感じるのは人気力士に懸賞を懸ける企業」と分析する。この日の遠藤―輝戦の懸賞15本のうち永谷園など11本が取りやめ、残り4本は他の取組に変更。千秋楽までの指定懸賞のうち遠藤は計99本、照ノ富士は計65本が取りやめの予定で、額にすると計1016万8000円(1本6万2000円)だ。力士に投資する企業にとっては宣伝効果の場を失った。

 八角理事長(元横綱・北勝海)は「人気のある存在でお客さまに申し訳ない」と謝罪し、遠藤へは「乗り越えてまた戻ってきてほしい」と言葉を掛けた。来場所全休なら13年名古屋場所から務める関取の座も失うが、将来を見据えれば勇気ある長期療養も一つの手。スピード出世で末は将来の横綱大関と期待された25歳が人生の岐路に立つ。

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