【箱根駅伝】駒大・馬場翔大 前回低体温で失速…いざリベンジの地へ

[ 2016年1月1日 13:23 ]

前回のリベンジに燃える駒大・馬場

 箱根の借りは箱根で返す。「後悔せずに走れたら。笑顔で終われたらなと思う」。今年は5区で低体温症に陥り、区間17位と失速。箱根駅伝後「(実家に)帰ったら戻ってこられないかも」と東京にとどまり、外出中に電車で指をさされるつらい思いも経験した。しかし、大きな苦しみの山を越え、再び走りだした。

 恩師の荒療治が効いた。箱根駅伝直後に倉敷高の恩師、勝又雅弘先生から連絡をもらった。「都道府県は大丈夫か。リハビリで走ってほしい」。1月下旬の都道府県対抗駅伝に出場予定だった。「精神的なもの。体は大丈夫」と説得され「一瞬、この人は何を言ってるんだろう」と疑問にも思ったが、考える暇はなかった。結果は7区24位と平凡。ただ再出発へ、確かな一歩を踏み出した。

 大きく崩れない走りが持ち味。今季は出雲駅伝で4区5位、全日本大学駅伝で6区区間賞に輝いた。大八木監督も信頼を寄せ「本人に選ばせる」と箱根の担当区間を馬場の選択に委ねた。選手に任せたのは、今季からコーチに就任した前マラソン日本記録保持者の藤田敦史以来。29日の区間エントリーで馬場は補欠に回ったが「うちにとって山か平地かどっちがいいか考えてる」と指揮官は説明し、当日変更での出場が濃厚。心身ともに成熟した馬場が満を持してスタートラインに立つ。

 最後の箱根は女手一つで育ててくれた母・文子さん(54)への感謝も忘れない。「大会に行って、いい観光をさせてもらった。いろんなところに連れてってもらった。これからもよろしく」。最近母との電話で言われた言葉だ。走ることが親孝行になる喜びを再確認した。「できれば、最後の年に区間賞が欲しい」。魂の走りで、駒大を8年ぶり頂点へ導く。

 ◆馬場 翔大(ばば・しょうた)1993年(平5)10月23日生まれ、岡山市出身の22歳。小学5年で陸上クラブに入り、倉敷高校3年で全国高校駅伝3区3位。箱根駅伝は2年5区3位、3年5区17位。自己記録は1万メートルが28分37秒21、ハーフマラソンは1時間2分21秒。1メートル68、56キロ。

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