宇野ノーミス自己最高 羽生に4・69点差2位も満足せず

[ 2015年12月26日 05:30 ]

100点に迫る高得点で羽生を追う宇野

フィギュアスケート全日本選手権第1日

(12月25日 北海道・真駒内セキスイハイムアイスアリーナ)
 ホープの宇野昌磨(18=愛知・中京大中京高)が97・94点で2位につけた。「SPはミスが多くて不安要素だったので、ホッとした。予想よりはるかに良い点が出た」。国際連盟(ISU)の主催でないため公認スコアにはならないが、11月のGPシリーズ、フランス杯でマークした89・56点を8・38点上回る“自己ベスト”をマーク。目標に掲げていたノーミスで滑りきった。

 世界王者も注目する成長株。報道陣の取材に対応していた羽生が「みんな、見たいでしょ?俺も見たいわ」と取材エリアにあるモニター越しに見つめる中、冒頭のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を決めると、課題だった後半の4回転トーループも着氷。1メートル57の小さな体を大きく使った躍動感あるステップで会場を魅了した。羽生が拍手を送る好演技で、初の“90点台”に乗せたが「できたことはまだあるので、やり切ったという思いはない」と満足感はない。「GPファイナルの方が踊っていて切れがあった。及第点をなんとか出したという感じ」と自己採点は厳しかった。

 GPファイナルではシニア参戦1年目の日本男子で初の表彰台に立った。今大会2位以内なら、初の世界選手権出場が有力となる。代表は2枠で、王者・羽生とは4・69点差。逆転も期待できる数字だが「全く気にしてない」と捉えている。その一方で「奇麗に跳ばないと勝てないと思っている」と早くも世界での勝負を見据える。

 フリーはマネジメント会社の先輩・荒川静香が金メダルを獲得した06年トリノ五輪のフリーで使用した「トゥーランドット」。「練習してきたことを出すことが第一目標。よりよいプログラムにして、満足できるよう頑張りたい」。初の世界選手権へ、宇野がリンクを華麗に舞う。

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2015年12月26日のニュース