ぜん息でも歯が欠けても 沙保里やっぱり霊長類最強

[ 2015年12月24日 05:30 ]

圧倒的な力で菅原を破り優勝した吉田沙保里

レスリング全日本選手権最終日

(12月23日 東京・代々木第2体育館)
 吉田は大会13度目の優勝を手土産に“クリパ”に出掛けた。「いろいろアクシデントはあったが優勝で締めくくれてホッとしている」。

 浜田千穂(クリナップ)との準決勝は終了間際に2点差まで迫られる接戦だったが、決勝では普段の練習パートナーでもある菅原ひかり(至学館大)に圧勝。55キロ級でも相変わらずの強さだった。世界選手権後に左肩の痛みの原因となっていた良性腫瘍が見つかった。今月に入るとせきの症状が「ぜん息」との診断も受け、「練習でも息が上がるとゼーゼーする」と調整にも支障が出た。練習で床に顔面を強打して前歯が欠けるなど踏んだり蹴ったり。それでも優勝は逃さず、53キロ級で4連覇が懸かるリオ五輪代表にも正式決定した。「クリスマス女子会でこれから会う」とこの日はサッカー女子の澤穂希や近賀ゆかりらとの食事会だと明かし、意気揚々と会場を後にした。

 ◆吉田 沙保里(よしだ・さおり=レスリング女子53キロ級)02年から世界選手権、12年ロンドン大会までの五輪3連覇と合わせて13大会連続世界一となり、男子のカレリン(ロシア)の記録を上回り、ギネス世界記録に認定され、国民栄誉賞も授与された。15年の世界選手権優勝で、世界一は16大会連続となった。01年から08年まで119連勝を記録。個人戦に限っては203連勝中。三重・久居高、中京女大(現至学館大)出、ALSOK。1メートル57。33歳。三重県出身。

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