豊田氏、五輪組織委辞任 副会長後任にパナ社長 運営態勢に疑問か

[ 2015年12月21日 17:52 ]

 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は21日、東京都内で記者会見を開き、トヨタ自動車の豊田章男社長(59)が組織委副会長を辞任したと発表した。理事も退く。本人から18日の理事会後に申し出があり、21日付で了承された。後任にはパナソニックの津賀一宏社長(59)が就任予定で、本人から内諾を得ている。

 豊田氏は大会公式エンブレムの白紙撤回問題を受けて発足した組織委の改革チームの座長を務め、組織の体質改善に取り組んできただけに突然の辞任となった。複数の関係者によると、現在の組織委の運営態勢に疑問を持っていたとの見方もあり、財界の実力者の退任が波紋を広げる可能性もありそうだ。

 経団連の五輪・パラリンピック等推進委員会の委員長などを務める豊田氏は、辞任理由について「経済界としての大会支援に専念する」との談話を出した。組織委の武藤敏郎事務総長は「これから経済界にさまざまな物的協力をお願いすることが想定される。お願いする立場とお願いされる立場をともにやることがいいのか、整理しなければいけないと思われていたようだ」と説明した。

 トヨタ自動車は3月に国際オリンピック委員会(IOC)と最高位スポンサーである「TOPプログラム」の契約を24年まで締結し、東京五輪の運営面でのサポートも期待されている。組織委は森喜朗会長の下に5人の副会長が名を連ねていた。

 東京五輪の準備はことし、メーンスタジアムとなる新国立競技場の建設計画や大会公式エンブレムが白紙撤回となるなどトラブルが続いている。

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2015年12月21日のニュース