葛西43歳6カ月、最年長表彰台!1回目12位から「棚ぼた」3位

[ 2015年12月20日 05:37 ]

3位に入り喜ぶ葛西(AP)

ノルディックスキー W杯ジャンプ男子個人第6戦

(12月19日 スイス・エンゲルベルク=HS137メートル、K点125メートル)
 葛西紀明(土屋ホーム)が43歳6カ月で自らが持つW杯歴代最年長表彰台記録を更新した。1回目に131・5メートルで12位と出遅れながら、2回目に134メートルの大ジャンプで挽回して合計273・5点で3位。3月のオスロ大会以来となる表彰台に上がった。伊東大貴(雪印メグミルク)は18位、作山憲斗(北野建設)は26位。竹内択(北野建設)、小林潤志郎(雪印メグミルク)、栃本翔平(雪印メグミルク)は2回目に進めなかった。

 隣に立ったのは23歳と16歳のプレブツ兄弟だった。親子ほど年の離れた2人の隣で、43歳の葛西は力強くガッツポーズを決めた。「まさか。信じられない。棚ぼたみたい」と驚く展開で、今季出場4戦目で初の表彰台に上がった。

 追い風が吹き続けるジャンプ台にあって、1回目は距離を伸ばしきれなかった。12位と出遅れて、2回目はトップ10を現実的な目標に据えていたという。ところが、ぐいぐいと距離を伸ばして134メートル。少し左足が流れた着地でも必死にこらえた。後に飛んだ1回目の上位が次々失速して3位にジャンプアップした。

 葛西には仕切り直しの一戦だった。今季序盤戦は悪天候に見舞われた試合ばかりで、十分に力を発揮できる状況になかった。前戦から今大会までは欧州で調整予定だったが、暖冬による雪不足の影響で国内調整に変更となった。8日に一時帰国し、16日に再出発する慌ただしいスケジュール。そんな中で妻・怜奈さんの実家がある函館の温泉に出掛けるなどリフレッシュも忘れなかった。

 シーズン前は3日間に及ぶ断食を複数回繰り返し、例年以上の減量にも成功。厳しい節制も続けるレジェンドは、本戦前の試技をただ一人休んで体力を温存し、集中力を高めた。この日の3位で個人総合も13位に浮上。トップ10返り咲きも見えてきた。「今季は(表彰台は)厳しいかなと思っていた。こうなると欲も出てくる」とジャンプ週間への期待も膨らんできた。

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2015年12月20日のニュース