北の湖理事長“史上最大級”協会葬に 関係者最多1000人

[ 2015年12月8日 05:30 ]

北の湖理事長の遺影が見守る中で稽古を行う力士。右は山響親方

 大相撲の北の湖理事長(元横綱)の死去により、北の湖部屋から名称変更した山響部屋が7日、東京都江東区の同部屋で初稽古を行った。上がり座敷に亡き理事長の祭壇が飾られる中、新師匠の山響親方(元幕内・巌雄)が熱血指導。あらためて理事長の遺志を引き継ぐことを誓った。また、今月22日に両国国技館で営まれる相撲協会葬は親方衆の他にも三段目以上の全力士や裏方全員も参加するなど“史上最大級”の規模となることが判明した。

 北の湖理事長が急逝してから17日。その悲しみはすぐに消えることはないが、所属部屋の力士約10人は亡き師匠の教えを守り、いつも通りに稽古場で四股を踏んだ。上がり座敷には理事長の祭壇があり、遺影、遺骨、位牌が飾られ、壁に掛かった「師匠 北の湖」の木札もそのまま。新師匠として稽古を指導した山響親方は「(北の湖親方は)とにかく四股、絶対に腰を上げるなと言っていた」と述懐し、その言葉通りにこの日の稽古でも入門間もない力士に長時間にわたって四股を踏ませる場面もあった。稽古後に新師匠は「責任感が違います。師匠に稽古場で教えてもらったことを守っていきたい」と遺志を継ぐことを誓った。

 今月22日には両国国技館で北の湖理事長の協会葬が営まれる。親方衆に加え、三段目以上の全力士、行司、呼び出し、床山ら裏方も全員参列。後援会関係者や政財界の要人ら来賓などの招待者を合わせると関係者だけでも“史上最大級”の1000人規模の出席者となる見込みだ。親方衆はスーツではなく、全員紋付きはかまで参列するという。

 相撲協会幹部と打ち合わせを行っている山響親方は「現職理事長なので、それだけのことを行っていただけることになったそうです。本当にありがたいです」と話した。05年6月に行われた元大関・貴ノ花の二子山親方の協会葬では一般ファン約4000人を含む過去最多の約4800人の弔問客が訪問。抜群の人望を誇った北の湖理事長の協会葬だけに、参列者が5000人を上回る可能性も十分ありそうだ。

 【最近の相撲協会葬】

 ☆春日野親方(元横綱・栃錦)90年1月31日 前理事長の協会葬とあって約3000人が両国国技館に弔問に訪れた。葬儀委員長は当時の二子山理事長(元横綱・初代若乃花)。中央の祭壇には約2万本の白い菊、縦3メートル60、横1メートル80の特大の遺影が飾られた。国技館には三段目以上の現役力士を含む約500人の協会員が勢ぞろいした。

 ☆鏡山親方(元横綱・柏戸)96年12月18日 両国国技館で約2000人が参列して行われた。中央の祭壇には約1万本の白い菊が飾られ、正面には部屋創設20周年記念の時に撮った遺影が置かれた。葬儀委員長は当時の境川理事長(元横綱・佐田の山)が務め、旭道山衆院議員(当時)らが駆けつけた。

 ☆二子山親方(元大関・貴ノ花)05年6月13日 過去最多の約4800人の弔問客が両国国技館に訪れた。一般の開門は午前11時30分からだったが、開門時には200人以上の列ができた。葬儀会場の祭壇には紋付きを着た故人の遺影が飾られた。葬儀は2時40分頃に終了したが、一般弔問客はその後もあとを絶たず、4時頃まで焼香台の前に並んでいた。葬儀委員長は当時の北の湖理事長が務めた。

続きを表示

2015年12月8日のニュース