リオ切符決まっても川内流 4・24ロンドンマラソン出場決定

[ 2015年12月6日 09:30 ]

リオ五輪出場がかかる福岡国際マラソンに出場する川内

6日号砲 福岡国際マラソン

 五輪切符をつかんでも“川内流”は崩さない。6日の福岡国際マラソンで16年リオデジャネイロ五輪切符を狙う川内優輝(28=埼玉県庁)が、来年4月24日のロンドン・マラソンに出場することが5日、分かった。日本勢が五輪前にフルマラソンを走るのは異例。走りまくって力を付けてきた公務員ランナーが、独自路線で突き進む。

 公務員ランナーの未来に、五輪切符の有無は関係ない。来年3月のリオデジャネイロ五輪代表決定後、4月24日に招待でロンドン・マラソンに参戦することが判明した。ロンドンは世界最高峰のシリーズ、ワールド・マラソン・メジャーズの一大会で、川内は初めての出場となる。毎年、海外の強豪が集い、大会記録は14年にキプサング(ケニア)がマークした2時間4分29秒。来年もハイレベルなレースは必至だ。

 川内は福岡国際で日本人トップで好タイムをマークすれば、リオ代表に名乗りを上げる。過去、五輪に出場した日本人ランナーは代表決定後、ハーフマラソンや高地合宿などで本番に向けて調整。ロンドンのような、ガチンコのフルマラソンへの参戦は異例だ。前日(4日)の会見では、「福岡で決めることができれば、海外のレースで記録を狙うことができる」と話しており、世界のスピードを体感する絶好の機会となる。

 川内は最後の五輪挑戦と明言しているリオと同様に、17年のロンドン世界選手権を大きな目標に掲げている。代表レベルで争うのは、同選手権がラスト。「ロンドンは(12年の)五輪を逃しているし、いろいろと思い入れがある。17年の世界選手権が一つの区切りだと思っている。メダルを獲って、代表からはサヨウナラ」と話していた。集大成の大舞台に向けた試走に、ロンドンはうってつけだ。

 川内はこの日、約1時間の最終調整を行い、福岡国際の準備は完了。「順調です」と短い言葉に気合を込めた。リオ代表としてロンドンに乗り込むために、公務員ランナーが不屈の激走を見せる。

 ▼リオデジャネイロ五輪への道 枠は3。福岡国際、来年2月の東京、3月のびわ湖毎日で争う。各大会日本人3位以内が選考対象で、本番での活躍が期待される選手を選考。日本陸連が定める2時間6分30秒を切った選手は優先的に選ばれる。

 ▽ロンドン・マラソン 81年に第1回が行われ、毎年4月に開催される。大会記録は男子がキプサングの2時間4分29秒、女子はラドクリフ(英国)が03年に2時間15分25秒の世界記録をマークした。ワールド・マラソン・メジャーズはロンドンの他、東京、ボストン、ベルリン、シカゴ、ニューヨークシティーで構成される。

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2015年12月6日のニュース