羽生、来季はフリー4回転5発!300点超えに続き「史上初」挑戦

[ 2015年11月30日 05:55 ]

エンディングでジャンプする羽生

フィギュアスケートGPシリーズ最終戦・NHK杯最終日

(11月29日 長野・ビッグハット)
 男子ショートプログラム(SP)、フリー、合計全てで世界最高得点をマークして優勝した14年ソチ五輪金メダリスト・羽生結弦(ゆづる、20=ANA)が、前人未到のジャンプ構成に意欲を示した。今季フリーは4回転ジャンプが3度だが、来季以降、史上初となるフリーでの大技5発に挑戦する可能性を示唆。12月10日開幕のファイナル(スペイン・バルセロナ)では、理想の選手に挙げるエフゲニー・プルシェンコ(33=ロシア)でも届かなかった男子初の3連覇を狙う。

 自分に限界は設定しない。史上初の合計300点超えとなる322・40点をマークしても、羽生のスタンスは不変だった。中国の18歳・金(キン)博(ハク)洋(ヨウ)はルッツ、サルコー、トーループの4回転ジャンプを計4度、フリーで跳ぶ。金は「(フリーの)4回転は4つで十分」と話しているが、プリンスは「4つで十分かと言われれば、そうじゃないと思う」と更なる高難度プログラムへの挑戦に意欲を見せた。

 フリーで大技5発は、誰もアタックしたことがない。羽生のフリーの4回転は、サルコーとトーループで計3度だが、シーズン前には4回転ループを組み込む野望を抱いていた。「今季、4回転ループをやりたいと思ってやってきたけど、まだできていない」。この日の練習では転倒したが、過去にはクリーンに決めたことがある。「日々の成長を楽しみながら頑張っていきたい」。4回転半も視野に入れており、来季以降の4回転5発は夢物語ではない。

 常に進化を目指すのは、描く理想像があるから。「プルシェンコさんの選手像が絶対王者」。正確なジャンプを武器に06年トリノ五輪を制したプルシェンコに憧れ、小さな頃は髪形をまねしていたこともある。「オーラ、雰囲気、強さ…。彼独特のものに憧れていた。彼になろうというわけじゃなく、彼みたいに唯一無二の存在になれたらいい」と気合十分だ。

 次戦はファイナル。プルシェンコは99―00年、00―01年シーズンに連覇を達成したが、次シーズンは2位に終わった。羽生が3連覇を達成すれば、男子初の偉業だ。自身を追う17歳の宇野も出場。「宇野選手もメディアを含めいろいろ言われると思う。ライバルだとか次期エースだとか。そういうのに関係なく、まず自分の記録だけでなく演技を超えられるようにしたい」。圧倒的なパフォーマンスと存在感で、オンリーワンへの道を突き進む。

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2015年11月30日のニュース