さらに上積み可能な羽生 連続ステップに抑揚つければ…岡崎真氏解説

[ 2015年11月29日 09:58 ]

ジャンプを飛び終え思わずガッツポーズする羽生
Photo By スポニチ

フィギュアスケートGPシリーズ最終戦・NHK杯

(11月28日 長野・ビッグハット)
 羽生のフリーは魂のこもった素晴らしいものだった。使用曲「SEIMEI」は、曲調の変化が乏しく表現が難しいもので前戦のカナダでは動きによる緩急の付け方に物足りなさを感じたが、今回は人類初の合計300点というモチベーションが演技全体にあふれ、活力がみなぎっていた。

 現行の採点制度でいつかは誰かがマークするはずだった300点の大台。SPとフリーのどちらかが良かったのではなく、SPで100点、フリーで200点を超えるという、演技をそろえたところに価値がある。世界中に「次元の違い」をアピールできたと思う。

 ただし、羽生の素晴らしさ、恐ろしさは、これが目いっぱいという感じがしないところだ。例えば前半の4回転ジャンプ2つが終わったあとの連続ステップは、もっと抑揚がつけられる。最後のスピンは体力が尽きかけて、羽生本来のスピードではなかった。さらにループなど別種類の4回転も練習していると聞けば、得点を上積みできる可能性は十分ある。この300点は本当の怪物へと成長する「序章」にすぎないのではないかと感じている。(ISUテクニカルスペシャリスト、プロコーチ)

続きを表示

この記事のフォト

2015年11月29日のニュース