羽生 日本男子初 SPで4回転2度に挑戦!「手応えも凄くある」

[ 2015年11月27日 05:30 ]

公式練習で壁にぶつかる羽生結弦

 男女のエースが世界新共演だ。フィギュアスケートのGPシリーズ最終戦・NHK杯は27日、長野市ビッグハットで開幕。26日は公式練習と会見が行われ、14年ソチ五輪男子金メダリストの羽生結弦(ゆづる、20=ANA)が、ショートプログラム(SP)では自身初となる2度の4回転ジャンプに挑むことを明かした。完璧に決めれば、自身が保持する101・45点の世界最高得点の更新は確実。浅田真央(25=中京大)も自身のSP世界最高得点(78・66点)の更新を狙う。

 高難度プログラムへの挑戦が、プリンスのモチベーションをかき立てる。今季2戦はSPの演技後半に4回転トーループを組み込んでいた羽生だが、今大会は冒頭に4回転サルコー、続いてトーループの4―3回転を跳ぶ。SPで自身初の大技2発は、成功すれば日本男子初。世界最高の101・45点をマークした14年ソチ五輪よりもジャンプの基礎点は3・69点もアップし、2季ぶりの世界新も視界に入った。

 2度のジャンプが0点になり、SP6位と出遅れたスケートカナダ。フリーで巻き返して最終的には2位としたが、同大会の演技後にSPの構成を変えることを決断。「まだ挑戦できるな、という感覚があった。さらに難しい構成になるが、“挑戦”という形でやらせていただきたい」。エキシビションの練習で、ジャンプの入り方の難度を高めた4回転サルコー、トーループの感覚が良かったことが背中を押した。

 この日午後の公式練習では好仕上がりをアピールだ。SP「バラード第1番」を流し、2度の4回転、演技後半のトリプルアクセルとジャンプを全て成功。従来は演技後半に4回転トーループと3―3回転を跳んでいたが、新構成は演技後半にトリプルアクセルのみ。序盤の大技2発を乗り切れば、余裕を持って終盤まで表現に集中できるメリットもある。

 昨季はGP初戦の中国杯で激突事故に見舞われ、NHK杯は万全から程遠い状態で強行出場した。あれから1年、高難度のプログラムへのアタックが、コンディションの良さを物語る。練習では低い態勢で滑り壁にぶつかって転倒するアクシデントもあったが、慌てる周囲をよそに、苦笑いで練習を再開した。

 今大会3位以内なら、連覇中のファイナル(12月、スペイン・バルセロナ)の進出が自力で決定。「かなり一生懸命練習してきたし、手応えも凄くある。結果も大事だけど、練習してきたことをどれだけ出せるか」。練習の成果を氷上で見せた時、驚異のハイスコアが刻まれる。

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