錦織、ベルディハ撃破も自力突破消滅 フェデラー倒して待つ

[ 2015年11月19日 05:30 ]

シングルス1次リーグでトマーシュ・ベルディハを破った錦織圭(AP)

男子テニス ATPツアー・ファイナル第3日 シングルス1次リーグA組

(11月17日 ロンドン・O2アリーナ)
 世界ランキング8位の錦織圭(25=日清食品)は19日午後2時(日本時間午後11時)以降に始まるシングルス1次リーグ最終戦で同3位のロジャー・フェデラー(34=スイス)と対戦する。17日の第2戦は同6位トマーシュ・ベルディハ(30=チェコ)に7―5、3―6、6―3で今大会初勝利。しかしフェデラーがノバク・ジョコビッチ(28=セルビア)にストレート勝ちして勝ち抜けを決めたため、錦織は自力突破の可能性が消滅。厳しい状況に追い込まれた。

 1万8000人の大歓声を浴びてフェデラーが勝ち名乗り。その瞬間、錦織のベスト4への道はぐっと狭まった。まずは1次リーグ最終戦でフェデラーに土をつけること。その後に行われる試合で、ベルディハが2勝20敗と圧倒的に負け越しているジョコビッチに勝つこと。それだけが生き残りのシナリオだ。

 「いいテニスができたので、次に向けてもちろん自信になる」。ベルディハ戦後の錦織は、大会初勝利を挙げて明るい表情を見せていた。「いい感じで自信があった」と初戦とは見違えるプレーで第1セットを先取。第2セット第4ゲームをダブルフォールトで落として意気消沈したものの、最終セットはねじを巻き直した。

 相手のブレークポイントを防いだ直後の第8ゲームをブレークした。「(全米以降は)大事なポイントで取り切れなくて、モヤモヤ感はあった。きょうは少し払しょくできた」と勝負どころをしっかり押さえ、年間54勝目は昨季の自己最多勝に並んだ。

 復調の手応えをつかみつつ臨む今季初、通算6度目のフェデラー戦だ。「ツアーで一番好きな選手」だといい、今でも初対戦の時と同じ喜びもあるという。「最近では勝ちにいかなきゃいけない?藤はあるけど、どこまで通用するのか試せるのがいつも楽しみ」と輝く思いは変わらない。

 準決勝進出がかなわなかったとしても、今回は1勝ごとにランキングポイントと賞金が加算される。過去2勝3敗の相手に人事を尽くして天命を待つ。今季ラストマッチの可能性もあるフェデラー戦。錦織はこの試合に全力を尽くすしかない。

 ▽錦織の準決勝進出条件 1次リーグの順位は(1)勝ち数(2)試合数(2勝1敗と2勝0敗なら前者が優先)(3)当該選手の直接対決で決まる。三すくみとなった場合は(1)セット獲得率(2)ゲーム獲得率(3)世界ランキングで決まる。錦織、フェデラー、ジョコビッチが2勝1敗で並んだ場合((3)はすべて1勝1敗)は、まず(1)でフェデラーが1位通過。残る錦織とジョコビッチは(3)によってジョコビッチが2位となる。錦織、ジョコビッチ、ベルディハが1勝2敗で並んだ場合は、錦織は(1)で2人のいずれかに及ばず敗退。唯一の突破条件は錦織がフェデラーに勝ち、ジョコビッチがベルディハに敗れること。錦織はフェデラーと2勝1敗で並び、直接対決の結果によって首位通過となる。

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2015年11月19日のニュース